アメリカのゴースト・プロトコル発動に対するソ連の意思表示としてのIMF長官暗殺ですからイーサンは巻き込まれただけです。
シリーズ作品としての位置づけ
初めて題名にナンバリングが使われなかった本作はドバイでの派手なアクションで映画化前から話題となりました。
危険なシーンにもスタントなしで挑むことで有名なトム・クルーズ。
危険な場面が満載で観終わった後に肩が凝ったと感じた方も多いのではないでしょうか。
シリーズ4作目であるゴースト・プロトコルが最高傑作といわれる理由を考察してみます。
シリーズ最高作品と評価される理由
人気が上がるにつれ『トム・クルーズの映画』になりつつあったシリーズを原点回帰させ『チーム力』をテーマにしている本作。
トム・クルーズの危険なアクションや黒幕を探るスリルも必要ですが、やはりチームとして立ち向かうというポイントは絶対なのです。
個人として活動するスパイよりバックアップするメンバーの献身的な働きが観客の心を掴むことを意識したシナリオでした。
製作にもかかわるトム・クルーズの思惑がピッタリ嵌ったというところでしょうか。
ルーサーがラストシーンで登場したのはなぜか
1作目から全作に出演するルーサーはIMFの中でイーサンが一番信頼している仲間といえます。
彼らの共通点は仕事に対してクールだということでしょう。まさにインポッシブルなミッションで培われた絆で結ばれているのです。
ルーサーは今回、カメオ出演ですがジュリアとのシーンで彼を登場させたことは次回作への布石かもしれません。
最後に彼が口にしたカンダハールとはアフガニスタンの都市の名前です。
ミッション・インポッシブルという映画の魅力
ミッション・インポッシブルはシリーズ物とはいえそれぞれが独立したストーリー展開です。
そして必ずどこかに次回作のネタが仕込まれているのもおなじみになりましたね。
前作はホワイトハウス直々の指名があったと長官から告げられて終わりましたし、今回はルーサーのセリフがあります。
クレムリンを爆破した犯人と目されたことでロシアとの緊張状態を生んでしまったことも次回作への布石です。
危険なアクションシーンの連続で見逃してしまいがちですが、しっかりしたストーリー展開とテーマにブレが無いのも魅力の本作。
次はどんな一手を打ってくるのか、ファンの心を掴んで離さない見事なプロモーションですね。
ゴースト・プロトコルで描きたかったテーマとは
本作のテーマは『愛と友情』です。
ジュリアを守ることで愛を貫くイーサンと、彼を信じ支えるチームの友情は感動を覚えるほど熱いものでした。
どんなに兵器が進化しても情報処理能力が向上しても、実行するメンバーがヒューマンであれば最後の鍵は「心」ということでしょう。
純粋に直向きに任務を遂行するIMFのメンバーの最大の武器は『信頼』であることが、このシリーズが愛される理由です。
最後のイーサンのセルフが素敵でしたね。
十分な装備も情報も組織もないあのミッションで、唯一まともに機能したのはこのチームだけだ。
よくやり遂げられたものだと思うけど…良かったよ。
引用:ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル/配給会社:パラマウント映画