相手の気持ちを汲みとること、気持ちを伝え合うこと。それが対話の真髄です。
その大切さに気付いたシルバーは、ようやく新たな親子関係を始めるスタート位置についたのではないでしょうか。
タイムパトロールが出てこない理由
タイムパトロールは、映画ドラえもんシリーズの中にたびたび登場するキーパーソンです。
歴史の危機になりそうな問題を回避するために行動する彼らは、なぜ地球の危機となった本作には出てこなかったのでしょうか。
いろいろな時代の海中から集めた黄金
タイムパトロールは歴史的な大問題に対して調査して行動しています。
キャプテンシルバーは地球のエネルギーを奪おうとしましたが、それまでは善良な研究者でした。
さらに彼の行った行動といえば、海中に沈んだ黄金を集めるということのみ。
時空を超えて海を渡り歩いたとはいえ、そこまで目立った悪行はしていなかったため目を付けられなかったのかもしれません。
役者たちによる問題の解決
シリーズを通してタイムパトロール隊員が登場するのは、ドラえもんやのび太の手では解決できない危機的タイミングです。
今回シルバーが起こした問題は、ドラえもんやフロックたちの手により解決。のび太の一言でシルバーが改心する結末を迎えました。
役者たちの手によって問題が解決される未来が存在したため、タイムパトロールは現れなかったとも考えられます。
歴史的な大問題は他でも起こっている
タイムパトロールが現れるのは未来で起こってしまった事件を未然に防ぐためです。
シルバーの問題はドラえもんたちが解決しましたが、他の場所では防げなかった大事件があるのかもしれません。
未解決のまま進んでしまった事件を解決するため、タイムパトロールは別の事件に対応していたのではないでしょうか。
動かなかった歴史
タイムパトロール隊の仕事は歴史の流れを大きく狂わせる「時空犯罪者」を取り締まることです。
時空犯罪者は未来人であることが多いことから、過去にワープする前からタイムパトロールがマークしていたことが考えられます。
本作の船長シルバーは元々は科学者であり悪人ではありませんでした。
そのため、タイムパトロールの時空犯罪者リストには挙がらず、犯罪者とは認識されていなかったのかもしれません。
単純な人材不足の可能性も
タイムパトロールは映画シリーズの中でたびたび登場し、ドラえもんたちのピンチを救ってくれるキーパーソンです。
しかし、「ドラえもん のび太の日本誕生」で捕まえたはずのギガゾンビは、ゲーム「ギガゾンビの逆襲」で再び登場。
ゲーム化による時間軸のずれはあるものの、タイムパトロールがの力が及ばない部分もあるという現実もうかがえました。
このような流れからも、タイムパトロール隊は万能な存在ではないということが分かります。
もしかしたら、タイムパトロールの目が届かなかったために本作には登場しなかったのかもしれませんね。
親子の関係を考えさせられるドラえもん映画
「映画ドラえもん のび太の宝島」は、シリーズ作の中でも特に父と子、親子の関係性を強く感じさせてくれる作品でした。
研究に没頭するあまり子供たちと向き合えなかったシルバーは、まさに忙しく働く世の父親を体現したような存在なのでしょう。
父親というものは家庭を守ろうとするあまり、子どもの気持ちに無頓着になりがちです。
日々成長する子供の心は、いつの間にか大人を支えられるほどたくましくなっているのかもしれません。