彼は、受け手の気持ちのどこを刺激すれば、恐怖や驚きの感覚を最大限に増幅させられるかという点を「ソウ」等、これまでの作品の中で追求し、経験を積み重ねてきました。
そして、今迄に培ってきた映像技術のノウハウを文字通りフル稼働させ、語るべき物語とキャラクターづくり、人間と海中生物との対話シーンなどに凝縮させたのが、見事に成功しています。
いち映画ファンとしての鑑賞経験も惜しげもなく注入!
ジェームス・ワンは、いちファンとして親しんだ作品、例えばスピルバーグの「レイダース/失われたアーク」や「スターウォーズ」、更にルーツを辿ると黒澤明の古典的な作品群のキャラクターなどから受けた影響を徹底的に作品に注入。
いわば「ジェームス・ワン」という全く新しいジャンルを創り出しているのです!
アクアマンとメラが自分たちの役割を指示される神殿や、ボイスレコーダーは「レイダース/失われたアーク」の一場面で撮られたと言われても違和感がないし、「スターウォーズⅣ」でルークがR2D2からレイア姫に助けを求める映像を見せられるシーンもダブります。
観る人の数だけ「あ、これって…」と、思い当たる場面が出てきそうです。
結論、アクアマンは、全映画ファン必見の超大作!
作品に込められたジェームス・ワンの究極の願い
繰り返し例を出してきましたが、本作には今までの様々な映画のエッセンスがまるでデジャヴのように作品のあちこちに埋め込まれています。
その最大の動機は、ジェームス・ワンの言葉を借りると…
原作も読破し、DC作品を全て観ているディープなファンは勿論、初めてこの作品で映画を観るあらゆる人々が「ヒーローのキャラクターを通して様々なことを学び、受け手であるあなた自身にも特別な事をする才能があることに気づくこと」。
というジェームス・ワン監督の究極の希求が込められた作品なのです!
今後、続編やスピンオフ作品は制作されるのか?
既にジェームス・ワンがインタビューで脇役のトレンチに焦点を当てたスピンオフ作品の製作予定を明かしています。
DCの過去作や原作にもヒントが沢山ありそうです。
「DCEU」はアクアマン作品で2020年代のSF映画の新たな潮流を生み出すのでしょうか?期待しながら続報を待っていたいですね!