アニキが運動靴をプレゼントした理由は靴を持っている子と持っていない子の格差を埋める為でした。

ここにまず靴を貰える子とそうでない子が居るという教育格差の現実が隠されています。

教育格差とは即ち経済格差であり、まずアニキはそれを埋めたかったのではないでしょうか。

強きを挫き弱きを助ける、そのような任侠にも近い彼の純粋な人生哲学が垣間見えます。

感謝の達人

幸せが無限に舞い降りる「お手上げ」の法則

アニキは祥子にバリ島に住んで働く意味を島の石像を指差して説明します。

バリ島の人達は日々の暮らしや些細なことでも感謝出来る感謝の達人だといいました。

更に失敗した時こそ人のせいにせず前向きに笑うことが大切だと説いたのです。

ここから読み解いていくと、運動靴の贈呈はバリの人達に対するアニキの感謝の意でしょう。

バリに住んでいる人達のお陰で自分が大富豪として生活出来ているという気持ちの現れです。

ギブアンドテイク

この運動靴の話以外にもアニキは人に与え、そして取り分が戻ってくる形が基本にあります。

これこそ正にギブアンドテイク、人にまず与え巡り巡って自分に戻ってくる構造です。

凄く基本的なことなのですが、その基本的なことこそ実践するのは難しいのではないでしょうか。

ここから一見破天荒なアニキも中身は凄く真っ当な考えを持っている人だということが窺えます。

いうなればバリ島の人と人とを繋ぐハブ空港というのがアニキの本質なのかもしれません。

「お金」ではなく「価値」を提供すること

働く君に伝えたい「お金」の教養

考察を重ねていくと、仕事とは「お金」ではなく「価値」を提供することにあると気付かされます。

アニキが祥子に提供した価値は「感謝の心」と「常に明るく前向きでいること」でした。

お金を稼ぐことは大事であり、お金がなければ仕事も何も出来ないから必須です。

しかし、大事なのはその稼いだお金を何に使いどんな価値を提供するのかという先のことです。

祥子はアニキに出会うまでは「稼ぐ」ことばかりでその先にある価値の提供に目が向きませんでした。

人生を成功させたいのであれば、この根本から変えていく必要があるのではないでしょうか。

お金は循環するもの

読むだけでめぐりめぐるエネルギー循環・物質化のしくみ 人・物・お金の流れは太くなる

こうしてバリのアニキと祥子達を取り巻く人情話にはある法則が隠されています。

それは社会貢献に投資したお金は循環して自分の元に戻ってくるものだということです。

お金持ちというとどうしてもお金にせこい派手好きな成金のイメージがあるでしょう。

しかしアニキしかりビルゲイツしかりザッカーバーグしかり、真のお金持ちは寧ろ凄く質素です。

彼らはお金を世に投資し、循環させることで自分の手元に戻る仕組みを作って成功させています。

そこに気付く為のヒントをアニキと祥子の関わりを通してメッセージとして伝えてくれます。

単なるお金持ちの道楽ではない真っ当なお金の使い方・人生の生き方を教えてくれる傑作です。

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