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アメリカ同時多発テロ直後の、アフガニスタンでテロの報復のためタリバンとの対決を描いた映画『ホース・ソルジャー』。
実話をもとに映画化された本作は、ドスタム将軍とクリス・ヘムズワース演じるネルソンの共闘によりマザーリシャリーフは制圧できました。
本作の中で一点大きな疑問点を出すとするならば、ドスタム将軍がなぜネルソンが人を殺したことのない人だと見抜けたのかということです。
さらには、マイケル・シャンノン演じるスペンサーは、敵の自爆テロにより重傷を負います。
なぜ重傷を負うような事態になったのか、その過程についても奥深いもの隠されているのです。
今回はこの二点について考察していきます。
戦場での経験の差
ネルソンはドスタム将軍に初めて会った日、目を見れば人を殺したことがあるかどうかが分かると言われました。
一体、ネルソンの何を見て、ドスタム将軍は判断したのでしょうか。
ネルソンは「実戦経験なし」
映画冒頭でマルホランド大佐と面会するネルソンは、「実戦経験がない」ことを指摘されました。
ドスタム将軍は、ネルソンと比べて常に争いの中に身を置いてきたがため、戦場での考え方を熟知した将軍。
ネルソンが結果を急いでいることを察知したのです。
そういえばネルソンは、本来6週間かけて進める作戦を、3週間で進めると豪語しました。
当然結果を焦っているでしょう。その様子を悟ったドスタム将軍は、ネルソンが実戦経験を持たない兵士であることを見抜くのです。
精神論のドスタム将軍と合理的なネルソン
武装している相手に、騎馬隊で突っ込むドスタム将軍とアメリカの最強の兵力を持って、合理的に作戦を進めようとするネルソン。
作品の中ではこの二人の考えが、常に対立してばかりで、見張りの兵士を出さなくてもいいのに、ネルソンは必ず一人出します。
ネルソンは、これを上層部の命令だから仕方ないと言いますが、それにドスタム将軍はこう返しました。
そこが違いだ。君には上に大勢の人間がいる。私の上は神だけだ
引用:ホース・ソルジャー/配給会社:ワーナーブラザース
つまり精神論のドスタム将軍と合理的なネルソンは、かみ合わないことが大前提なのです。
精神論派のドスタム将軍は、人を見る目に優れています。
だからこそ、ネルソンと初めて対面した際も雰囲気でネルソンが実戦経験がないことを見抜きました。
一方ネルソンは、ドスタム将軍と会う前は将軍の情報ばかり上層部に聞きます。情報を集めるのでなく、情報を欲しがるのです。
人間性に敏感なドスタム将軍が、ネルソンを見抜けないわけがないのでした。
対比される二人
結局ラストには、ネルソンとドスタム将軍は親友同士の間柄となりました。
しかしそれは結果論。対比される二人だからこそ、ドスタム将軍はネルソンを見抜くのです。