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フジテレビのドラマシリーズとして1997年1月から放送された織田裕二主演の『踊る大捜査線』。
その人気の高さから劇場版映画はもちろん様々なスピンオフ作品も製作されてきました。
沖田管理官に疑問を感じつつ捜査に当たる所轄の刑事たちは今回も最前線で危険にさらされます。
前作は青島刑事が負傷しましたが今作では恩田刑事が標的となりました。
犯人を追う青島とSATメンバーは仕掛けられた罠をわざと踏み破っていきます。
なぜ彼らはわざわざ犯人に知らせるような行動をとったのでしょうか。
犯人追跡時の捜査員の心理状態や罠を切った理由を考察していきます。
青島刑事が犯人の罠を切っていった理由とは
冒頭シーンでSAT相手に勝ってしまった湾岸署の刑事たち。
勝ったことで減俸処分になったようですがこの笑いネタが布石だったことがわかる場面です。
お台場の隅々まで知り尽くした彼らを『事件は会議室で起きている』と言い切った管理官は否定しました。
そんな状況で現場に乗り込んだ青島は犯人の罠を次々と踏み破りますが、なぜそんな行動をしたのでしょうか。
偶然から必然に変化した行動
恩田刑事の情報により蒲田トンネル工事現場に急行した青島は命令待ちのSATより一足早く侵入したシーン。
後に続くSATと合流するような形で進む青島は犯人の罠を踏んでしまいました。
一瞬戸惑うそぶりを見せましたが吹っ切れたように次々に踏み破ったのは『犯人に存在を教えるため』なのです。
捜査の手が及んだことで犯人に焦りが出ることは必至ですし、それにより一番手近な出口へ行くと読んだのでしょう。
この掘削トンネルが一部でも繋がっていれば沖田管理官の作戦も水泡に帰してしまいます。
お台場の地上にさえ出れば必ず見つけ出すという『仲間を信じる心』があればこその行動だったのです。
初手で罠に気づいていればずっと踏まないように追ったはずなので、これはミスが生んだ積極的行動といえます。
終盤にアジトであったモデルルームに潜入したときは罠を慎重に回避しているのは単独捜査だったからでしょう。
SAT隊員が止めなかったのはなぜか
いつもの笑いネタのような本編冒頭のシージャック訓練でSATは湾岸署メンバーに二つの印象を持ちます。
ひとつ目は『恥をかかされた憎い相手』そしてもうひとつは『すごい奴ら』です。
現場で青島を見たときの感情はひとつ目の心情がはっきりと出ていました。
犯人の罠を次々と踏み破る青島を止めようとせず、むしろ『踏め!』と言わんばかりの視線は認めている証です。
隊長をはじめSATのメンバーは青島を信頼に値する仲間だと感じているのでしょう。
犯人が仕掛けた罠と目的
単純ですが有効な罠を仕掛け侵入を察知しようとしていた犯人。
犯人は当然ですが逃亡を企てていますので何度も捜査状況を探り出そうと電話を掛けてきます。