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映画『キミだけにモテたいんだ。』は2019年公開のオリジナルアニメーション作品です。
監督は久藤瞬、脚本は岡田麿里が担当しており思春期の男女の感情の機微を丹念に描いています。
主演には斎藤壮馬に内山昂輝、梅原裕一郎と力のある若手声優達が勢揃いです。
物語は残念なイケメンの時夫とアシモが後藤田に、ホリコこと堀ノ宮早紀子の所に連れて行かれる所から始まります。
彼女の目的の為「モテメン甲子園」という大会に出る幸太郎・亜紀・後藤田ら5人が織りなす青春群像劇。
本稿では堀ノ宮が駿を選んだ決め手をネタバレ込みで考察していきましょう。
またモテメン部の今後や優勝に足りなかったものについても併せて見ていきます。
逆AKBのアイドル物語
本作を語る上で外せないのは何よりも企画・原作にかの秋元康氏が絡んでいるということです。
秋元康氏といえばAKB48をはじめ様々な女性アイドルの発掘に尽力なさっています。
タイトルの意味を氏は「不特定多数の人にモテても本当に好きな人にモテないと意味がない」と語っておられました。
即ち本作は逆AKB、即ち1人の女性が華のあるイケメン男子に囲まれる擬似恋愛物語の発展形でしょう。
しかし、そこで本作が違うのは男性陣が完璧ではなくどこか残念な要素を抱えているということです。
いわゆる「花より男子」の雛形を借りつつも主軸を女性ではなく男性陣に置いています。
そんなAKBの逆バージョン、即ち”逆AKB”のアイドル物語という構造であることをまず念頭に置きましょう。
堀ノ宮が駿を選んだ決め手
本作の物語の横軸になっていたのが5人の男子によるホリコこと堀ノ内早紀子争奪戦です。
時夫をはじめ5人の残念なイケメン男子はホリコを巡って争いますが、彼女は後藤田駿を選びます。
ここではその決め手となったものを流れから考察していきましょう。
最大の理解者である
決め手とありますが、コンテストを決める前からホリコの心は既に後藤田駿に決まっていたのです。
実際にモテメン甲子園予選でのラストの告白合戦前にホリコは古田に気持ちを漏らしています。
駿が好きなの
引用:キミだけにもてたいんだ。/配給会社:東宝映像事業部
そう、告白大会を行うまでもなく、既に彼女の意中の人は後藤田駿で固まっていました。
何故ならばホリコが借金を500万円も抱えた時に文句も何もいわず必死に支えてくれたからでしょう。
時夫たちを説得してモテメン甲子園への参加へ働きかけてくれたのも駿でした。
そのような縁の下の力持ちであったという日頃の行いの積み重ねの結果でありましょう。
公私共に彼女を理解し支えてくれたのは駿を除いて他にはいなかったのです。
モテメン甲子園はきっかけ
そういう流れがあるので、モテメン甲子園自体はきっかけでしかなかったのです。
元々ホリコがこの大会への参加を決意した理由は500万の借金返済でした。
それがあった上での恋であったり後藤田他4人との関係性であったりします。
なので物語として見るとつまらないといえばつまらないかもしれません。