現実を受け入れたおっこが見たのは、おっこの旅館がいいと駄々をこねる木瀬の息子でした。
その姿がおっこの背中を推しました。
木瀬一家の姿はおっこが失ってしまったもの。しかし、だからこそおっこはそれが尊いものであることを誰より知っています。
それ故に、出ていこうとする木瀬に対して「旅館にお戻りください」と言えました。
家族の想い出を大切にして欲しかったのです。
おっこがどう両親の死を乗り越えたのか
最終的に、おっこはどう両親の死を乗り越えたのでしょうか。
異世界の住人との出会いと別れ
映画のラスト、ウリ坊たちとの別れ。
彼等の存在を通して、おっこは妄想の中で両親を生かすのではなく見守ってくれていると信じることを学びました。
また、同じように美陽の声を聞いたことがあるという真月の存在もおっこを支えたのです。
人の意思の永遠を信じた。だからおっこは両親の死を乗り越えられました。
全てを受け入れる
花の湯温泉のお湯は誰でも受け入れることを、祖母はおっこに教えていました。
旅館の女将とは、そんなお湯に携わる仕事です。
だからこそ、おっこにもそんなお湯のような姿勢が求められた。
それは客も、異世界の住人も、自分に起こった出来事も全てを受け入れる姿勢です。
おっこが両親の死を乗り越えたのは、温泉と女将の仕事の意味。それを理解できたから。
「両親を亡くした少女」ではなく「旅館の若女将」への転生がおっこに両親の死を乗り越えさせました。
映画を気に入ったら原作も
映画「若おかみは小学生!」は令丈ヒロ子が書いた原作小説を元にしています。
原作は全20巻の大作です。
それ故に、映画では収まり切れなかった数々のエピソードを読むことができます。
映画で作品に触れ、その魅力の虜になった方は原作小説もご覧になることをお勧めします。
児童向け文学なので、お子さんと一緒になって作品を楽しむことも可能。
かけがえのない親子の時間の想い出を、「若おかみは小学生!」で作られてはいかがでしょうか?