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『映画クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ ~拉麺大乱~』は2018年4月13日公開の名作です。
クレヨンしんちゃんといえば高橋渉監督ですが、本作も彼が期待をはるかに超えるカンフー映画を観せてくれました。
本作は大きなメッセージが隠された社会性のあるアニメです。
マサオが防衛隊や師匠の元を去ったのはなぜでしょう。
そこには世界共通の闇が見え隠れしています。
クレヨンしんちゃんに隠された観る者へのメッセージを深く考察していきましょう。
マサオが去った理由
マサオは途中、カスカベ防衛隊を去っていました。
彼はどんな思いで皆の元を去っていったのでしょう。
兄弟子なのに落ちこぼれだった
マサオは皆よりも先に入門していたにも関わらず誰よりも出来が悪い状態で、いわば落ちこぼれ的な存在といえます。
彼が皆の元を去ったのは、突発的な出来事ではなく積み重なった劣等感のせいです。
マサオカチカチじゃぞ
引用:映画 クレヨンしんちゃん爆盛!カンフーボーイズ~拉麺大乱~/配給会社:東宝
マサオは師匠に動きのことを上記のように指摘されていますが、頑張れば頑張るほど考え方も硬くなっていったのでしょう。
マサオが足を引っ張った
劇中ではマサオのせいで証拠を取り上げられそうになっています。
自分が皆の足を引っ張ってしまった、という気持ちになっていたことでしょう。
兄弟子として皆をリードしていく存在なのに、いつも皆の一歩後ろを進んでいる自分が嫌になったのかもしれません。
兄弟子とはどういうものかを考えさせられる作品でもあるのです。
マサオは兄弟子は全てにおいて優れていなければならない、と勘違いをしていたのではないでしょうか。
しんのすけと自分を比較していた
マサオが去った大きな要因は、しんのすけが「戦意尻失」までを習得したことにあります。
僕はしんちゃんみたいに選ばれた人じゃないんだ
引用:映画 クレヨンしんちゃん爆盛!カンフーボーイズ~拉麺大乱~/配給会社:東宝
兄弟子として、間違ったプライドを持っていたマサオは天才肌のしんのすけに嫉妬してしまったのでしょう。
天才肌の人間と比較すると、そうでない側の人物は自己否定に走りがちです。
マサオもぷにぷに拳法天才肌のしんのすけと自分を比較し、自己否定を招いてしまったのではないでしょうか。
ここで注目したいのは、誰もしんのすけとマサオを比較してなどいないということです。
マサオは自分で自分に枷をかけてしまったといえます。
マサオは闇に落ちなかった
自己否定をして皆の元から去ってしまったマサオですが、彼は再び皆の元へ戻ってきます。
これがアメコミ映画なら確実にマサオは闇に落ち、敵となっていたのではないでしょうか。
師匠が寄り添っていた
マサオが立ち直ったのは、師匠が側に寄り添っていたからです。
もしも師匠がしんのすけと共にいたら、マサオは完全にカスカベ防衛隊を辞めていたでしょう。
いいかえれば、師匠は優れた指導者だったといえます。
マサオは比較される者たちがいない中で師匠と一緒に過ごし、穏やかに成長してしました。
地道にコツコツが一番なのさ
引用:映画 クレヨンしんちゃん爆盛!カンフーボーイズ~拉麺大乱~/配給会社:東宝
上記のマサオのセリフからもわかるように、彼はコツコツ努力するという才能を持っていたのです。