決して、スイッチを押した人間と同じ結果にはなりません。
スイッチを押した人間の周りが殺された
「愚息」において、スイッチを押した人間は両親と言えるでしょう。さらに、そのスイッチは他を巻き込み、欲望の応酬となりました。
このストーリーは、最後に本当はひき逃げを起こしていないサムが、デモ隊の中に人物に殴り殺されます。
本来なら、スイッチを押した人間に大きな結果が訪れるはずなのですが、このストーリーでは周りの人に大きな結果が出ました。
つまり、スイッチは他の人を巻き込むだけでなく、押した本人よりも大きな結果を巻き込んだ人に与えてしまうのです。
もう一人殺された人が…
サムの他に、スイッチを押した人間に巻き込まれたのが、「パンク」に登場するディエゴです。
ある意味、ディエゴ自身もマリオがスイッチを押すスイッチを押してしまっていますが、ディエゴも巻き込まれた人間です。
結果的にディエゴは、マリオが押したスイッチに巻き込まれて死んでしまいました。
やはりスイッチを押してしまうと、押した周りの人間にも大きな影響・結果を与えてしまうのです。
映画を端的に説明した「おかえし」
カブリエル・パステルナークが操縦室に立てこもり、自分を虐げた人を乗せて自殺テロを起こす冒頭のストーリー。
このストーリーが、本作のすべてを網羅したストーリーです。その中で、気になるのが老夫婦の存在。
ストーリーを見てみると、あの老夫婦がガブリエルの両親であることが見えてきます。
飛行機に乗っているガブリエルの関係者
「おかえし」では、ガブリエルに対して何らかの悪影響を与えた関係者が飛行機に搭乗しています。
ある意味、スイッチを押した(小さな選択をした)のはその搭乗者であり、ガブリエルは関係者たちに「おかえし」をするわけです。
と、考えるとガブリエルが突っ込んでいく老夫婦も、ガブリエルに何らかの悪影響を与えた関係者と想像できます。
明確に家を目標として突っ込む飛行機。なぜ明確な目標にしているのかというと、ガブリエルが知っている場所だから。
ということは、老夫婦の家が「ガブリエルの実家」であり、そこにいる夫婦はガブリエルの両親だと考えられます。
ガブリエルにとって両親は悪影響だったのか?
そうなると、ガブリエルにとって両親が「悪影響を与えた人」だったということになります。
開けてくれ。君は悪くない、むしろ被害者だ。君の人生を壊したのはご両親なんだ。君に多くを求めすぎ、失望した顔を君に見せた。
引用:人生スイッチ/配給会社:ワーナーブラザース
これは以前ガブリエルを見た精神科医のセリフ。つまり、ガブリエルは精神科医にこのことを話しているのです。
やはりガブリエルは、両親のことを良く思っていませんでした。自分に悪影響を与えた人物と心中するつもりのガブリエル。
最も憎んでいる相手は、特別な方法で「おかえし」にかかるのです。つまり、老夫婦はガブリエルの両親だと判断できます。
その選択は「人生のスイッチ」かも
本作に出てくるようなスイッチは、ある意味本当にありふれた日常の中にあるスイッチでした。
もし自分がそのスイッチを押したとき、自分自身はたまた周りの誰かが、とてつもなく大きな結果を迎えます。
さらにそれは連鎖していき、より多くの人を巻き込んでいく。
つまり、たった今選んだものが、人生を変える大きな選択だったのかもしれないのです。
大きな「負の結果」を招かないことを、祈ることしかできません。