思えば冒頭で辞めようとしたのも、背景には死のリスクが常に付きまとう仕事だからでした。
しかし、自分が死ぬこと以上に仲間や同僚が死ぬことの方がマイクにとっては辛いでしょう。
もうマイクのような死人を出さないためにも彼は戦い続けることになるのです。
ジャクリーンがMI5長官を射殺した意味
物語終盤ではマイクの知人・ジャクリーンがMI5長官のランカスターを射殺するシーンがあります。
ここでジャクリーンが射殺した意味について考察していきましょう。
裏切り者の抹殺
1つ目にランカスターを内通者だと見抜き抹殺しているという意味です。
基本的にジャクリーンは本作において影の実力者というか参謀ポジションで描かれています。
マイクとはその意味で対照的というか、マイクが「動」ならジャクリーンは「静」なのです。
そんな彼女がラストで一気に「動」へ転じるシーンなのではないでしょうか。
銃を持ったジャクリーンには静かなる迫力があり、まるで凍てつくような怖さです。
裏切りを働いた落とし前とはいえ、凄まじく的確な判断力が窺えます。
アッシャー大統領は囮
2つ目に匿ったはずのアッシャー大統領が浚われたのは囮として想定内だったことを意味します。
ジャクリーンの目的はあくまでも内通者を暴き出して処分することにありました。
大統領に関してはマイクやデイヴィス隊長らがいるので、彼らに任せたのではないでしょうか。
つまり大統領を別の場所に連れて行ってもらうことで自身の任務を遂行しやすくなったのです。
凄く冷徹ですが、これ位でなければテロリストを容赦なく殺すことなど出来ません。
裏切りを働かれた時点でジャクリーンにとっては十分射殺の動機となるのです。
真打ちは決して表に出ない
3つ目に真打ちは決して表舞台に出ないことを意味するのです。
世の中には表舞台が似合う人と裏舞台で暗躍するのが似合う人に大別されます。
そしてそういう人たちは裏で着実に、そして確実に策を仕掛けるものです。
本作における影の実力者にして真の立役者は間違いなくジャクリーンでしょう。
彼女の裏方に徹した働きぶりがなければ、テロリストからイギリスを守れなかったかもしれません。
意外なところに意外な伏兵が忍んでいることを教えてくれたのです。
テロの目的
本作のテロ仕掛けた張本人はバルカウィですが、その目的はどこにあったのでしょうか?
世界に対して大上段からの宣戦布告をする様や物語の流れから読み解いていきます。
復讐
今回のテロの目的は非常にシンプルで国家に対する復讐でした。
ドローン攻撃により彼は家族を、娘を失った悲しみからバルカウィは暗黒面に堕ちたのです。
だからこそ彼は復讐の舞台としてイギリスを選んだのではないでしょうか。
何故イギリスかというと、大統領が祖国から切り離され成功の確率が上がるからです。