出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B07YT1DZJ2/?tag=cinema-notes-22

2015年の映画『グリーンルーム』は、ジェレミー・ソルニエ監督の名作作品です。

ハードコアバンドで暴力的な言葉を羅列し、虚勢を張っていたバンドメンバーたちが弱者の如く崩壊していくさまが描かれています。

故アントン・イェルチンをしのぶ映画ともいわれ、パトリック・スチュワートなど名優の演技からも目が離せません。

話題の本作は緑からスタートしていますが、冒頭の緑は何を暗示しているのでしょうか。

また、犬が飼い主に寄り添うシーンの真意や「無人島へ持っていくバンド」に隠された秘密を考察していきます。

冒頭の緑が示すもの

グリーンルーム

本作の冒頭部分は、緑の畑に突っ込むシーンからはじまっています。

このシーンはこれから起こることの伏線となる部分です。

Green Roomに飛び込む暗示

Green Room(グリーンルーム)はタイトルにもなっていますが控室を意味するものです。

本作はライブハウスの控室が舞台となっており、冒頭の緑はグリーンルームそのものを表現しているのでしょう。

車で突っ込んでいくのは、思いもよらない形で自分たちが窮地へと引きこまれていくことの暗示でしょうか。

緑という色のイメージ

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日本では癒しのイメージが強い緑ですが、他国では少し捉え方が違っているようです。

不幸の象徴として認識されていたり妬みの色とされたりして、アメリカでも魔女や怪物は緑色が使用されています。

また、賭博のイメージからお金ともつながる色としてアメリカではお札にも緑色が使用されているのです。

本作の冒頭で使用された緑は、控室と不幸のダブル・ミーニングとなっているのではないでしょうか。

「無人島に持っていくバンド」が示すもの

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劇中、タッドは彼らに定番の質問をしていました。

何気ない会話でしたが、この質問には本作の神髄が込められていたように感じます。

初めは威勢よくハードコアバンド

無人島に持っていくバンドは?

引用:グリーンルーム/配給:A24

タッドの質問に冒頭では「ミスフィッツ」や「クロ・マグス」など有名なハードコアバンドの名前をあげています。

彼らはバンド活動を行っていく上で虚勢を張っていたといえます。

やっぱり曲を変えよう

引用:グリーンルーム/配給:A24

ライブ直前にスキンヘッドのネオナチ集団を見て、彼らは弱気になっています。

しかし、ネオナチの前であえて反ナチの歌を歌った彼らはハードコアの精神を貫いたといえるでしょう。

本心を語った

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死を覚悟したサムは無人島へ持っていくバンドを「サイモン&ガーファンクル」と変えています。

リースも「プリンス」と本音を語っていますが、パットだけはハードコアバンドの名前を出していました。

死を身近に感じた時もパットだけは、強い自分を演じていたのでしょう。

死を身近に感じたからこそ、強い自分でいたかったのかもしれません。

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