無人島へ持っていくバンドは、人となりを現すものでもあります。

極限の状態に置いて、彼らは自分の根底に流れる素直な心を垣間見せたといえるのではないでしょうか。

また、定番の質問は観る者をバンドメンバーに感情移入させるのにも一役買っています。

自分だったら…と、つい考えてしまう質問なのです。

ラストシーンでの回答

どうでもいいし

引用:グリーンルーム/配給:A24

イモージェン・プーツ演じるアンバーは上記のように答えています。

無人島に持っていくバンドに対しての答えですが、これからの人生全てに対する答えなのかもしれません。

もしもこの時パットが同じ質問をされたら、彼は何と答えたのでしょう。

悪夢のような夜を乗り越えてもなお、ミスフィッツの名前をあげていたでしょうか。

横たわる仲間たちの前、もしかしたら彼はまた強がりを見せたかもしれません。

犬が飼い主に寄り添う意味

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本作に出てくる犬は悪役ではありません。

可愛いという意見も聞かれるほど、従順な姿を見せていました。

自分の意志ではない暴力

ネオナチ軍団の中には真実を知らされていない仲間もおり、ダーシーという強い力に逆らえず従っているようにも感じます。

劇中に出てくる犬たちもまた自分の意志で殺人を犯している訳ではありません。

やらされているといってもいいでしょう。

ただ主人に忠実で死んだ主人に寄り添う犬の姿は、劇中でのゲイブの立場と交差するシーンではないでしょうか。

憎むべきは何だったのか

ライブハウスの中で、犬は恐ろしい敵でした。

しかしラストで観せた犬の姿ははかなげで、可愛らしい姿です。

パットとアンバーは一時の憎しみや恐怖といったものが、とても空しく感じたはずです。

殺された仲間たち、殺した敵の存在、自分たちは何と戦っていたのか空しい現実が目の前に広がっていくようです。

リアルさが怖い

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本作は現実離れしているようで、ラストシーンは底知れぬリアル感を感じさせる作品です。

密室という恐怖

閉じ込められているという恐怖感を大いに味わえる本作ですが、メンバー達は何度もグリーンルームに戻っています。

本作に置いてグリーンルームは逃げ場所であり、一息つける場所なのです。

もしも自分があのメンバーの中に居たら扉の外に行くのでしょうか。

観えそうで観えない暴力シーンは観る者の想像力を高め、より恐怖を感じさせるものとなっています。

平和な緑の風景

ラストシーンで映し出された背景は、清々しい緑あふれる朝の大自然です。

凄惨な殺人事件の後、何事もなかったかのようなタッドの掃除のシーンもいつもと変わらぬ日常を表現しているのでしょう。

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