だから「実行」にした
引用:死神の精度/配給会社:ワーナー・ブラザース映画
千葉も上記のようにいっています。
藤田の死から見えてきたことは、千葉は死にゆく者の目的達成をサポートしているということです。
「実行」の判定を出すために、調査期間の7日間は千葉自身が対象者の手助けをしているのです。
観方を変えると「実行」をいいわたす為に手助けしているようにも観えます。
最後のかずえは「実行」だった
一度は助けたかずえ(一恵)ですが、70歳となった彼女は「実行」の判定を受けています。
この時も千葉は必死に子供たちを集め、彼女の目的達成のために奔走していました。
彼女は、孫と会うことが出来た為に「実行」されたのでしょう。
しかし彼女は死を笑って受け入れていました。
死を目前に彼女は何を思ったのでしょう。
最後にかずえが笑った理由
かずえは身内がどんどん亡くなっていく不幸な女性です。
しかし彼女自身の人生は幸せに幕を落としたことでしょう。
人生最後の日になぜ彼女は笑顔だったのでしょうか。
全てをやりきることが出来たから
かずえは孫の顔を見ることが出来、人生でやり残したことはないといっています。
親しい人物がどんどん死んでいく中で、自分は人生を全うしたと感じたのでしょう。
元気にすくすく育つ孫の姿を見て、心残りはない清々しい気持ちだったのかもしれません。
息子と孫を守ることが出来たから
自分が愛した人たちが次々と死んでいく中、苦渋の決断で突き放した息子と孫が元気にしているのです。
死に打ち勝ったという気持ちがあったのかもしれません。
彼女は最も大切なものたちを守り切ったのです。
死神に左右されない死だったから
もう思い残すことはない、いつ死んでもいい
そう言うな、私の仕事がなくなる
ザマーみろ
引用:死神の精度/配給会社:ワーナー・ブラザース映画
身近で様々な死神を見てきたかずえは、死神が死の切符を握っていることを知っていたのでしょう。
自分には死神の判定など必要ない、といいたかったのでしょう。
親しい人に死を与えてきた死神たちへ、ちょっとした仕返しになったのではないでしょうか。
死神が音楽を愛する意図
本作に置いて心温まるシーンの一つが、死神たちがCDショップで音楽を聴くシーンではないでしょうか。
なぜ彼らは音楽が異常なまでに好きなのでしょう。
音楽にはドラマがある
感情の乏しい死神たちにとって音楽は自分の心を補うアイテムだったのかもしれません。
歌の言葉に満たされ、旋律に心を動かされていたのではないでしょうか。
人間に死をいい渡す彼らの心は、凝り固まりやすいことでしょう。
音楽が心を柔らかくしてくれたと解釈出来ます。