3つ目に当時の社会情勢に置き換えると、これは女性差別運動からの解放をも意味します。

メアリーに限らず、この当時はまだ男尊女卑が根強く女性差別の風潮がありました。

小説をはじめ芸術の分野でも女性作家が出ることなど許されないことだったのです。

パーシーが作者名をメアリーだと明言することはその壁を取っ払ったことに等しいでしょう。

彼の勇気を持った告白がなければメアリーは日の目を見ないままだったかもしれません。

今日でこそ珍しくない女性作家の源流を作り上げた歴史的瞬間でした。

クレアの失敗

失敗の本質

メアリーとパーシーの夫婦生活が上手く行かなかった原因の1つがクレアの失敗でした。

彼女は劇中でもかなりやらかしが多いのですが、どんな失敗をしたのでしょうか?

男癖の悪さ

まず男癖の悪さが全体的に目立ってしまっており、色々なトラブルを生んでいます。

パーシーとの肉体関係を匂わせるのみならず、バイロンの子まで孕んでしまうのです。

挙句の果て彼からは養育費を払うとだけいわれ捨てられてしまいました。

そう、彼女は男を見る目が余りにもなさ過ぎてダメ男ばかりを捕まえてしまう体質です。

典型的なダメンズウォーカーであり、今の時代ならメアリーから慰謝料請求されてもおかしくありません。

それ程にクレアは男癖も男運も悪い人だったのです。

金遣いの荒さ

ヤバイです!その金遣い

2つ目にクレアはパーシーと似て金遣いが荒く、分かりやすいのは臨時収入を得たときです。

お金がない段階では無駄な浪費は押さえないといけないのに、それを無意味なことに使いました。

科学の玩具や一等地への引っ越し費用など、金の使い所が明らかに間違っているのです。

基本の収支管理が出来ていないから何をやらせても上手く行くわけがありません。

そのくせ借金から夜逃げせざるを得ない状況に追い込まれるのですから自業自得でしょう。

挙句の果てメアリーは娘まで喪失することなるのですから、とんだとばっちりです。

パーシーと並んで劇中屈指のトラブルメーカーといえるのではないでしょうか。

メアリーとパーシーについていったこと

総じてクレアの失敗はそもそもメアリーとパーシーについていったことではないでしょうか。

彼女は息苦しさからメアリーと共に家を出ましたが、実家に居た方が生活は安定するのです。

それなのにメアリーについていったから道を踏み外して元に戻れなくなってしまいました。

メアリーは才能故に世間から疎まれれる存在だったので多少なり同情の余地はあります。

しかし、クレアは単に感情だけで特別な才能もないのに簡単に決めてしまったのです。

その場の思いつきや衝動に身を任せるとどうなるかをクレアの失敗が教えてくれました。

フランケンシュタインに込めた想い

フランケンシュタイン (光文社古典新訳文庫)

パーシーとクレアに散々振り回されてきたメアリーですが、そんな彼女も遂に小説を書きます。

代表作『フランケンシュタイン』ですが、この作品に彼女が込めた想いは何だったのでしょうか?

絶望と闇

何といっても「フランケンシュタイン」に込めた想いは絶望と闇ではないでしょうか。

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