遅かれ早かれ誰かがやらなければならないことであり、小吉がその先陣を切ったのでしょう。
15人居る仲間たちの中で矢面に立って戦えるのはきっと小吉だけなのです。
たとえ周囲には愚かに見えても、信じて動けばいつか必ず実現する日は来ます。
それを信じて小吉はひたすら前のめりに行動するしかありません。
テラフォーマーが人間に敵意を向ける理由
さて、本作で気になるのは人間が火星に解き放った昆虫の進化形・テラフォーマーです。
人型へ進化したテラフォーマーは明確な敵意・殺意を剥き出しにして人間を襲ってきます。
ここではその理由を読み解きましょう。
人類の敵・ゴキブリ
種明かしをすると、テラフォーマーに進化した昆虫の正体はゴキブリでした。
しかも人型に進化ししたので、最初の感じからして不気味で生理的に無理な感じが目立ちます。
人間は脊髄反射でゴキブリを殺していますが、その理由は見た目の気持ち悪さでしょう。
それに加え、カサカサと音を立てての素早い動きもまた気持ち悪さを際立たせています。
しかし、これはよくよく考えれば人間の一方的な差別と偏見で殺していることになるのです。
それだけの扱いを地球で受けたのですから、ゴキブリが敵意・殺意を抱くのも当然でしょう。
命を弄ばれる恨み
2つ目に、テラフォーマーは人類に命を弄ばれた恨みがあったのではないでしょうか。
火星移住を目論むのはいいとしても、火星を地球化する為にゴキブリと苔を送ったのです。
これはゴキブリにしてみれば、住処を追われ島流しにされたも同然の扱いでしょう。
更に人類はバッタや蝶などの虫の力を体の中に取り込んで進化させようとしています。
これは既に命の禁忌を犯しているといわれても不思議ではなく、1つの復讐です。
気候と性格
そして3つ目に、火星の厳しい気候がテラフォーマーの性格に影響を与えたのでしょう。
真っ黒に覆われる前の火星は酸素もなく気温が-58℃という凄まじく冷たい環境の星でした。
それをゴキブリの繁殖によって温暖化させていったことで厳しく育つことになったのです。
その極寒の気候がテラフォーマーを厳格な敵意を持った性格にしていったのではないでしょうか。
人間に限らず火星に移住してきた者達は全て敵と見做し殺すものと思われます。
そこまで考慮していなかった人類が愚かだったとしかいいようがありません。
最強の昆虫は何か
人類は恐るべき進化を遂げたテラフォーマーに何とか対抗しようとします。
それが昆虫の力を人間に取り入れるという、まるで「仮面ライダー」のような形です。
本作において最強の昆虫とは果たして何なのでしょうか?
繁殖力と個体の力
まず定義からいえば、本作における最強の昆虫はテラフォーマーです。
何故かといえば繁殖力と個体の力で時間をかけて進化してきたからでしょう。