出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B0747WCVKS/?tag=cinema-notes-22
映画【人魚姫】はこれぞ香港映画という作品です。
シンプルな筋書きで、憎めないギャグたっぷりでロマンスも盛り込んだ娯楽映画になっています。
地球環境問題への警鐘もありますが、何か解決への道筋を示そうという力みはありません。
ある意味気軽に楽しもうと思えばそれなりに娯楽映画として楽しめる作品に仕上がっています。
ラストシーンの一幕でリウが面会に来た学生に「人魚はいない」と答えますが、彼の答えの真意は何処にあったのでしょうか。
単に人魚への関心をそらして人魚たちを守ろうとしただけでもなさそうです。
アジア映画歴代興行収入No.1を樹立し、世界で1億人以上の観客を動員した。
引用元::https://ja.wikipedia.org/wiki/人魚姫_(2016年の映画)
事件後のリウへのインタビュー
一連の事件収束後、リウから奨学資金を得て海洋学を学ぶ学生によるインタビューに答える形でリウの思いが語られます。
リウの人魚たちに対する思いや環境問題と経済成長との関係などを彼の言葉から探って見ましょう。
人魚はいないといった真意
リウがいないと言った人魚とは多くの人がイメージするファンタジーの世界の人魚のことでした。
そのようなおとぎ話に出てくるような人魚はいないと彼はいいたかったのです。
生物としての人魚はいます。長老の婆さん人魚がいうように、それは遠い昔に人類から分化して人魚として進化しました。
リウは人魚たちが人類から興味本位で扱われることに我慢ならなかったのです。
インタビューする学生にリウは「学術は客観的に考えなくてはいけない」と諭しています。
イルカや鯨を虐殺してはいけないように、人魚も貴重な生物種として、また人類と共存するパートナーとしてリウは見て欲しいのです。
もちろん彼が最初からこのような観点を持っていたわけではありません。
シャンシャンとの出会いが彼の意識を変えました。
地球環境保全に対するリウの姿勢変化
リウは「きれいな水や空気がなければお金を儲けても意味がない」といいます。これは人魚たちの声でもありました。
地球環境問題を本質的に議論しようとすれば経済成長との関係を無視するわけにはいきません。
もっといえば「豊かさ」とは何かを問わなければ議論を前に進めることはできないのです。
この映画では物事をそれほど深刻には扱っていません。経済よりもまず環境問題が重要だとサラリと言い切っているだけです。