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2019年1月に公開された「十二人の死にたい子どもたち」。

旬の若手俳優や期待の新人俳優が集められ、老若男女問わず注目された映画です。

出演者が発表される中、ただ一人正体を明かされなかった人物……。

公開前よりこの一人に関して予想キャンペーンが実施され、誰が登場するのかと話題になりました。

それぞれの死にたい理由にフォーカスを当てながら「十二人の死にたい子どもたち」を徹底考察していきます。

十二人の「死にたい理由」に潜む闇

十二人の死にたい子どもたち (文春文庫) 文庫 – 2018/10/6

劇中に登場する十二人それぞれの「死にたい理由」から現代の闇をのぞいていきましょう。

1番サトシの死にたい理由

主催者のサトシは、死への興味を抑えきれない人物です。

家族の死により、死を望む気持ちを理解したいという欲望に駆られています。

彼は過去に、バラバラになる家族をただ傍観することしかできずに、深い暗闇の中に落ちて行ったことでしょう。

人は環境の生き物、とよく言われますが彼はまさに家族の劣悪な環境が生んだ悲劇の少年です。

ストレス社会や親の過度な期待が、彼を死へと誘っています。

2番ケンイチの死にたい理由

いじめにあっていたケンイチは、自分の性格を受け入れてもらえず苦しんでいます。

日本は特に昔から異なるものを嫌う風習があり、現代もその傾向は残っています。

空気を読めないという彼の存在は、周りに合わせることを強要されている日本のマイナス面を強調しています。

彼が自分の言動をコントロールできれば違った結果になったかもしれません。

現代の課題でもある「いじめ」という闇を彼は、観客に投げかけています。

3番ミツエの死にたい理由

ミツエは大好きなバンドのメンバーの後追い自殺を望んでいます。

この事例は現実社会でも度々起こる現象です。

洗脳にもにた陶酔、視野が狭くなってしまう10代に多く見られます。

夢中になれるものがあるのは悪いことではありませんが、彼女は自分の価値を見失っていたのでしょう。

誰にでも起こりうる、事故のような死への願望です。

4番リョウコの死にたい理由

大人気女優として生きる忙しい毎日にうんざりしていたリョウコは、世間によって視野を狭められた少女です。

多忙の中で本当の自分を見失っていく恐怖は、現代を生きる全ての人に当てはまります。

仕事や勉強に追われ、期待に押しつぶされる日々、彼女は死をもってプレッシャーから逃げ出したかったのです。

自分に向けられる光は強ければ強いほど、影は濃く、大きくなっていくもの。

誰にも気が付かれないけれど、光には必ず影ができるのです。

その影に飲み込まれてしまう恐怖を彼女は知ってしまったのでしょう。

5番シンジロウの死にたい理由

シンジロウは末期の病気を患っており安楽死を望む、それが今回集いに参加した理由です。

12人のメンバーの中で一番生きたいと願っている人物でもあります。

そして一番「死」に近い人物でもあるのです。

逃れられない死への恐怖に向き合う彼の姿は、劇中において他とは異なる存在感を放っています。

生きたくても生きられない、そんな存在なのです。

6番メイコの死にたい理由

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