200人以上の応募者の中から出演を勝ち取り、保紫萌香とともにダブル主演を務めました。
また本作出演後も着実にキャリアを重ね、『風の電話』や『恋恋豆花』など話題作で次々と主演を務めています。
したがって本作は彼女のキャリアの中で演技や映画などの道に着実に進むことを示した作品といえるでしょう。
写真が物語に与えた影響
いくつかの物語に登場し影響を与えていると考えられる写真。ここではその写真の役割について深く考察していきます。
ゆらいだ瞬間を切り取るもの
写真というものはその瞬間を切り取ることができるものです。
したがって本作の共通テーマであるジェンダーやセクシャルのゆらぎを切り取る役割があるといえます。
写真が登場することでその揺らぎの瞬間を強く印象付けているのではないでしょうか。
本質を写し出すもの
2つ目の影響として考えられるのは、写真が本質を写し出すという役割です。
『projection』では写真を撮られることで主人公は自らの本質と向き合い、自己肯定感を取り戻しました。
また、『Mirror』では展示してある写真を見て、レズビアンである写真家の承認欲求を見抜いています。
したがって写真やカメラが写る人、または撮る人の本質を見抜く機能を持っているといえるでしょう。
幸せだった思い出を閉じ込めるもの
『愛はどこにも消えない』では幸せだった元恋人との思い出を切り取った装置として写真が登場します。
作中で恋人との写真が貼られた壁にカーテンを閉めるシーンがありました。
これは、幸せだった恋人との思い出を閉じ込めた写真との決別を表し、主人公が前を向く決意をしたシーンといえるでしょう。
21世紀の多様性
『21世紀の女の子』の共通テーマであるセクシャリティやジェンダーの揺らぎ。
LGBTQを含めジェンダーやセクシャリティの多様性が世界中で叫ばれ、徐々に認知されてきています。
ほかにも、『粘膜』で対照的に描かれた2人の女性のように自らの性生活に関する価値観も人によって異なるでしょう。
21世紀はインターネットの普及で、世界が広がった反面、自分とは考え方や思想などが異なる人々とも簡単に交流できるようになりました。
だからこそそんな多様性を21世紀に生きる私たちはまずは理解する。そういった1歩目として本作があるのではないでしょうか。
21世紀の「女の子」が未来を創る
21世紀の多様性の概念はまだまだ発展途上。世界ではさまざまな差別や格差が存在しています。
そして次の22世紀の価値観や概念に影響を与えるのは21世紀を生きる「女の子」たちです。
21世紀の「女の子」が「女性」となったときにどんな素敵な未来が広がっているのでしょうか。
物語の中の彼女ら、そして製作陣やキャストを含めた「女の子」のこれからの生きざまや活動にはこれからも目が離せません。