大人気バンドが影響を受けたとあれば、当然そのファンたちが続くでしょう。その中で、トウコの作品もアメリカ国民に受け入れられます。
結果的に、アメリカ国民が同性愛やゲイを身近に感じるきっかけになり、アメリカに受け入れられるのです。
ロックの原点
ロックは本来、反社会的な歌詞を歌うことに端を発しています。
つまり、先述している「反権力」が大きなテーマなのです。QEENが流行するということは、当然ロックに対する理解も深まるということ。
その中で、トウコのような同性愛者の「反権力は」、ロック好きの者から見ても「同じ方向性の考え方」と捉えられました。
例え同性愛者と言えど、同じ方向性を向く者として社会が味方したのです。
こうして、トウコの作品はアメリカ中に受け入れられ、アメリカだけでなく世界中に派生していき、受け入れられました。
性的マイノリティ―と支援者
本作は、トウコやニパが同性愛者でありマイノリティとして描かれていますが、その数は社会の中でも多いです。
またその支援者がいる限り、声は出し続けられます。結果として同性愛に対する理解が深まり、さらに支援者も増えるのです。
意外と多い性的マイノリティー
マイノリティー(少数派)と言えども、比較的私たちの身の回りには性的マイノリティ―(LGBTQなど)はいます。
一説によると、1つの教室に2~3名、十数名に1人は性的マイノリティ―がいるという学説もあるのです。
そう考えると、人口の10%もいるのであり、トウコの志向に共感する人は多く、それがアメリカで受け入れられる原因になります。
それはトウコの母国フィンランドでも、逮捕されたドイツでも、人生の大半を過ごしたアメリカでもそうです。
これまではそれが息をひそめて社会に隠れていましたが、トウコのように大っぴらにゲイであることを語ると、当然反応する人もいます。
人口の10%近くというのは大きな力です。結果的に、アメリカでトウコの作風が受け入れられたことからも、それは分かります。
支援者の存在
トウコの志向に共感する人は、何も性的マイノリティ―だけではありません。
その周りにいる人や、広い心で人間を受け入れられる人々は性的マイノリティ―でなくても、支援者となります。
本作の中でいうダグのような存在です。
ダグは、トウコの作品を有名にするだけの手腕や知名度がありました。ダグのように世の中に発信できる立場の人は多いでしょう。
だからこそ、トウコの作品はアメリカで受け入れられたのです。
実在の人物トウコ・ラークソネン(トム・オブ・フィンランド)
本作は、実在の人物であるトウコ・ラークソネン(トム・オブ・フィンランド)をモデルとしています。
性的マイノリティ―に対して、理解が深まっているとはいえ、まだまだ完全でない現代。
本作を通して、学ぶべきものは多く、今回考察したようなことがより多くの人に受け入れられていくはずです。
日本においても、本作が浸透してより理解が深まると、また違う考察点が生まれるかもしれません。