対抗勢力がどのような組織で人類をどうしようとしているのか全くわかりません。
したがって今の時点でウィケッドの方が正しいかどうかは保留せざるを得ないのです。
ただあれほど自分たちを正しいと言わなければならないのは、何らかのやましさがあるのではないでしょうか。
グレーバーの存在
グレーバーの存在は物語にアクション性を持たせています。
グレーバーは単に少年たちを困らせるためだけに存在しているのでしょうか。
一つのヒントはサソリのような尾の毒針です。これに刺されると脳が異常をきたし死に至ります。
この毒はフレアウィルスを弱毒化したものである可能性があります。この程度の毒性ならば解毒できる薬が既に開発済みなのです。
このグレーバーを迷路に放つことによって刺された少年たちがどうなるかの観察が可能になります。
少年たちの免疫力が何らかの変化を見せるか、特定の少年たちが特異的にグレーバーの毒に免疫を持っているのかなども実験できるのです。
試される少年たちにとってはたまったものではありませんが、グレーバーにはそのような意味があるのかも知れません。
トーマスたちを救出したのは誰
トーマスたちをラボから連れ出しヘリに乗せて「全ては変わる」と言った連中は何者なのでしょうか。
エヴァの部下たちと考えるのが一つです。ラボがウィケッドの対抗勢力に襲われたとの連絡を受けて救出に駆けつけたのです。
もちろんエヴァの自殺偽装のことを考えれば、ラボの襲撃そのものが偽装である可能性も否定できません。
この場合は彼らは最初からのシナリオに沿ってトーマスたちを回収するためにやってきたのです。
もう一つの可能性はウィケッドの対抗勢力という線です。
「全ては変わる」と言ったことから考察すると後者の可能性が高いかも知れません。
エヴァの自殺偽装
エヴァはラボでビデオを通じてトーマスたちにことの経緯を語ります。
ビデオには襲撃者たちに襲われるラボが映り、エヴァも拳銃で自殺します。
この自殺は嘘だったことがわかりますが、エヴァはなぜ自殺を偽装する必要があったのでしょうか。
エヴァは真実を語っているのか
エヴァはウィケッドの最高責任者のようです。そもそもエヴァはビデオで真実を語っているのでしょうか。
エヴァがトーマスたちに種明かしを説明した理由も気になるところです。
トーマスたちが人類の生存に不可欠の重要な存在であるため、彼らを取り込んでおく必要があったと考えるのが自然です。
おそらくトーマスたちには明かせない秘密を隠しながら、彼らをウィケッド側に引きつけておく必要があったのではないでしょうか。
なぜ自殺を偽装しなくてはいけなかったのか
エヴァは自分が死んだことにしておけば、敵対勢力やトーマスたちに知られずにこれからの第二幕を起こせると考えたのかも知れません。
自分を自殺に追い込んだ対抗勢力を悪者に仕立てたいという意向が働いた可能性もあります。
謎が謎を生む【メイズ・ランナー】第一作
【メイズ・ランナー】では最後の最後にこのシリーズの枠組みが明かされます。
しかしながらテレサの正体やエヴァの本当のもくろみなど、多くの謎は残ったままです。
第二作、第三作でこれらの謎が解明され、また新たな謎も提起されていくのでしょう。
トーマスたちが人類救済のキーになることだけは間違いないようです。