フレンチは叶わないと知りながらも、アイリーンに恋心を抱いていました。
だから、ある意味でこの結末はハッピーエンドといえるのかもしれません。
元凶のヴァラクは退治されずとも、1人の犠牲で他者を助けることが出来たのです。
時代設定が1952年という戦後間もない時代でしたから、自己犠牲の考えも強い時代でした。
今の価値観にはそぐわないものの、当時の価値観というものが垣間見えるでしょう。
アイリーンが指名された理由
最終的にフレンチを乗っ取ったものの、ヴァラクが最初に乗っ取ったのはアイリーンでした。
そのアイリーンを指名したのが バーク神父だったのですがその理由は何だったのでしょうか?
ここではそれを考察していきます。
霊感が強い
まずアイリーンは見習いシスターにしては霊感が強い人物として描かれていました。
それだけ魂が美しく、ヴァラクにとっては強敵となるからではないでしょうか。
演じている役者のビジュアルもありますが、全く穢れのない修道女がアイリーンです。
バーク神父はおそらくアイリーンのそうした本質を見抜いていたのでしょう。
だからこそ、危険を伴う修道院の調査に連れて行ったのだと窺えます。
白い修道服だった
2つ目に、アイリーンは白い修道服を着ており、他の修道女達と対比させる為でしょう。
演出の意図として、黒の修道服と対比されており「聖者」のニュアンスを強調しています。
本作でアイリーンが来る前に居たとされる修道女達は皆黒服を着た人達です。
悪魔はおそらくその黒色を狙って憑依しようとしたり、幻術にかけたりしたのでしょう。
その意味では、真っ白な方がヴァラクに対する切り札となると判断したと推測されます。
白と黒の服の対比が同時に「聖」と「悪」の対比にもなっているのです。
キリストの血を使える人だった
そして終盤で明かされた真の理由がキリストの血を使える本作唯一の人物だからです。
直接描かれていませんが、おそらくは聖母マリアの血筋に相当する救世主でしょう。
だからこそヴァラクに翻弄されながらも、最後まで正気を失わずに封印出来たのです。
いってみればアイリーンは名実ともに最高のヒーローにしてヒロインでした。
それはフレンチが恋心を抱くのも無理はなく、やんごとなき身分の人だったのでしょう。
言葉遣いから何から見習いとは思えない程落ち着きがあって輝いていたのがそれを示しています。
シスターが自害した意味
本作の事件は全て修道女ヴィクトリアの自害がきっかけとなって、始まりました。
唯一の生き残りであった彼女が自害した意味は何だったのでしょうか?
憑依を防ぐ
まずはヴァラクの憑依を防ぐためという目的があったことが明らかになっています。
本作に出てくるアイリーン以外の修道女達は全てヴァラクが見せていた幻想です。