そしてかつての彼女と同じマジックをしたことで、自分にかかった特別な魔法を解いたとも考察出来ます。
彼女を手にしたという考えと、魅了されていた自分を解放したという考え、観る者によって結末は変わってきます。
魔法少女の結末がバルバラ
本作はマジック・ガールは誰なのか、と話題になりました。
白血病のアリシア
アリシアは魔法少女に憧れ、父親ルイスが罪を犯したことで憧れのコスチュームとステッキを手にしています。
観方によってはアリシアがマジック・ガールなのでしょう。
願いを叶えた代償は父親と自分の死となりました。
嘘をついたバルバラ
彼女は初めからダミアンを利用しようとしています。
少女時代マジックを見せていた彼女は、まぎれもなくマジック・ガールでした。
しかし大人に成長し精神的な疾患を持つ彼女は、魔法少女の成れの果てともいえます。
我がままでバカだろ?それ以外には?
美人
引用:マジカル・ガール/配給会社:Avalon
夫とのやり取りで、バルバラは自分を美人だと認めています。
彼女自身自分の武器が美貌であることを知っていたのです。
自分の美を武器に、男性に多くの魔法をかけてきたのかもしれません。
ダミアンを殺し屋にしたのはバルバラの魔法です。
語らない痛快さ
本作に最も影響を与えたのは「新世紀エヴァンゲリオン」だと監督は語っていました。
真実を語らない構成に度肝を抜かれたようです。
その影響か、本作も謎は謎のまま観る者の考察に委ねられています。
ミステリーのままのラストシーン
ダミアンとの関係やトカゲの部屋など、観る者はその想像力を大いに刺激されるのではないでしょうか。
そして謎かけのようなラストシーンは、観返すたびに考察が変わっていきます。
アリシアの死
アリシアは何も語らず死んでいきますが、この時幼い少女は何を思っていたのでしょう。
彼女は父親が自分の為に、何かをしてお金を作ったことを知っていたのではないでしょうか。
その為に父親が殺されていることも瞬時に悟ったのかもしれません。
願いを叶えてくれた大好きな父親、その死を受け入れながら自分も撃たれたのです。
目を背けなかったのは、父を殺した者への怒りが込められていたのでしょう。
すれ違いが招いた悲劇の物語
様々な憶測が飛び交う『マジック・ガール』ですが、本質はアリシアの本当の願いなのではないでしょうか。
彼女の本当の願いは父親ルイスと一緒にいることです。
お互いを想う気持ちが空回りしてしまったが為に、数々の悲劇が連鎖してます。