特にかぐやはお金持ちのお嬢様故に何をするにしても親やメイドなどの監視に晒されています。

つまり、かぐやは本来の自分を押さえ込んで偽りの自分であることを周りに強いられているのです。

御行の方は不器用でプライドこそ高いですが、割と自分の気持ちに対して素直に行動しています。

そうした「周囲の目」が気になる傾向が強いことが2人の恋路を阻む最大の要因ではないでしょうか。

階級の差

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2つ目に、御行とかぐやの決定的な違いは階級の差から生じる生活様式の違いにありました。

御行は純粋に努力でのし上がってきた人ですが、あくまでも家系自体は中流階級です。

対してかぐやは前述したようにお金持ちのお嬢様なので、日々のスケジュールが徹底管理されています。

夏祭り1つ行くのでもTwitterのやり取りを通し、更に親の目を盗んで脱走しないといけません。

思っている以上に英才教育がかぐやを縛り付けてしまう大きな要因となってしまうのです。

これもまた、2人の価値観や生き方の違いとなって大きく表れるのではないでしょうか。

思春期の多感さ

そして3つ目に、2人とも思春期~青年期故にプライドの高さが顕在意識となって邪魔するのです。

本当はかぐやか御行のどちらかが素直になって受け入れて告白すれば問題はありませんでした。

実際自分の気持ちには素直になれましたし、最後は何だかんだいい雰囲気になったのですから。

しかも、千花をはじめ周囲まで煽ってしまうものですから、余計にプライドが邪魔します。

思春期特有の多感さは1番難しくややこしい要因なのではないでしょうか。

素直が1番

「素直さ」こそ最強の武器である

こうして見ていくと、本作は実にストレートに恋愛を通して何が1番大事かを伝えてくれています。

それはとてもシンプルに素直さが1番であるということではないでしょうか。

御行もかぐやも難しく考え過ぎず、最初から自分の気持ちをストレートに伝えればいいのです。

しかし、その素直に伝えることこそが1番尊く1番難しいことでもあります。

多くの人はその過程で余計な邪念が入って、素直さから遠退いた生き方になるのでしょう。

恋愛はそういう意味で実は人間の最も根源的な部分を描けるジャンルなのかもしれません。

まとめ

生身の人間

いかがでしたでしょうか?

本作は偉大なる原作があるので、原作ファンからは芳しくない評価を受けています。

しかし、本作は決して手を抜いて作った訳ではないことが分かります。

実写化に当たって最も力を入れたのが御行とかぐやの頭脳戦だったのです。

そしてその頭脳戦を通して、最後は2人の人間性を炙り出すように描いていきます。

それは単なる男女の愛を超えた深い人間の本質を問う物語だったのでしょう。

また、そのテーマ性を表現した平野紫耀と橋本環奈らキャスト達も見応えがありました。

生身の人間」を描き出すという実写映画の目論見はしっかり果たした名作です。

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