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本格的なカンフー映画として大注目されたのが、2008年公開の『チョコレート・ファイター』です。
同監督のタイ映画「マッハ!!!!!!!!」が話題となりましたが、その記録を超える人気となりました。
タイマフィアとヤクザとの間で翻弄された女の子ゼンを中心に、マサシとの親子愛にも迫っていきます。
ラストでマサシがゼンに寄り添う姿は何を物語っていたのでしょう。
またバッジを組に返したマサシの決意とはなにか、深く考察していきます。
アクションに注目が集まる本作を、ストーリーの面から掘り下げて観ると新たな一面が観えてくるのではないでしょうか。
マサシがゼンに寄り添う意味
マサシはずっと会っていなかった娘ゼンに寄り添っていますが、なぜ彼はこの行動をとったのでしょう。
娘に寄り添ったのには、様々な意味が隠れていたのではないでしょうか。
自閉症という障害
ゼンは自閉症であり他者とのコミュニケーション能力が低い少女なので、周囲のサポートを借りて生活している状態です。
母親ジンを亡くした今、ゼンの生活を支えるのは父親である自分しかない、マサシはそう感じたのではないでしょうか。
例えずっと会っていない我が子であっても、血のつながりは心を引き寄せるものです。
まして、親である自分たちのせいで辛い戦いに巻き込まれていた娘なので、尚更そう思うのでしょう。
これからは自分が、発達障害を持つ娘ゼンを守っていくという心境だったはずです。
後悔の気持ちもあった
マサシは自分だけ安全な場所に居た、という気持ちもあったのでしょう。
知らなかったこととはいえ、自分だけ日本で好き勝手に生きていたのです。
ゼンにとって何よりも大切な存在であるジンが、自分の為に殺された…。
守ろうとしたものを守れなかった、という後悔の念が胸の内を渦巻いていました。
そしてジンを助けることが出来なかったことに対して、申し訳ないという気持ちで寄り添ったのかもしれません。
同じ宝物を失った者として支え合う心
ジンという掛け替えのない女性を失った喪失感は、マサシとゼンに共通するものです。
心の中で欠けたものを補うかのように、二人はより添ったのではないでしょうか。
共通意識が二人の絆を固いものにした、とも考察出来ます。
今後も二人は寄り添いながら生きていくのではないか、と思わせるシーンとなりました。
ジンの面影に寄り添っていた
深読みすると、マサシはゼンの中にジンの面影を見ていたのかもしれません。