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『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』は2020年に日本で公開された映画です。
題材は太宰治が書いた未完の遺作『グッド・バイ』を元に、ケラリーノ・サンドロヴィッチが作った舞台劇を映画化したものになります。
主人公は文芸雑誌の編集長・田島周二で、彼に複数の愛人を抱えることからが物語の始まりです。
彼は妻と娘のために愛人たちと別れることを決意し、担ぎ屋の永井キヌ子を偽物の妻として雇います。
キヌ子と一緒に愛人たちの元に赴き、1人1人別れていく内に2人の関係性が変わっていくというのが物語の流れです。
こちらの記事では、「グッドバイ」と別れる理由、なぜ医者だけが2人の嘘を見抜けた理由を主に考察していきます。
「グッドバイ」と別れる理由
この物語では愛人や、愛人が田島と別れる際に「グッドバイ」と言って別れます。
「グッドバイ」を英語で書くと「good-bye」で、直訳では「さようなら」と意味は同じです。
なぜ「グッドバイ」と別れているのでしょうか。考えられる要素は2点です。
幸運を祈る的な意味合い
「good-bye」の元々は「gods by」であり、「神のお加護がありますように」という意味がありました。
次第に「幸運を祈る」的な形で使われるようになり、スペルも「gods by」から「good-bye」と変わっていったようです。
人に「幸運を祈る」と伝える時は人と別れる時に使うことが多い言葉で、自然と「さようなら」を意味するようになっています。
田島と愛人たちには、お互いに不幸な未来を送って欲しくない思いがどこかしら残っていたと受け取れるでしょう。
もう会わないことを祈る的な意味合い
前述した通り、「good-bye」は直訳すると「さようなら」です。
そして「good-bye」の元は「gods by」で、「幸運を祈る」的な形で使われ方が変わってきています。
「good-bye」と「gods by」を合わせて、「もう会わないことを祈ります」と考えながら別れたのではないでしょうか。
なぜ医者だけが2人の嘘を見抜けたのか
田島とキヌ子が愛人の1人である医者の大櫛の元に訪れた際に、キヌ子が偽物の妻であることが見抜かれてしまいます。
彼女はなぜキヌ子が偽物の妻であることを見抜けたのでしょうか。考えられる要素は2点です。
本物の妻から届いた手紙で自分の元に来るわけがないから
田島とキヌ子が大櫛の元に来た頃には、本物の妻から手紙が届いていました。
手紙には「妻が田島と別れる決心をした」旨の内容が書かれており、その妻が夫の近くに居るわけがないと考えたのではないでしょうか。
手紙が届いた日付が田島とキヌ子が訪れる数日前などであれば、物理的な距離も込みで目の前の妻は偽物と判断したのでしょう。