友との友情を失いたくなかったからこそ服従関係を終了させなくてはならなかったのです。
なぜ由宇は黒崎を選んだのか
高圧的な黒崎と対象的に優しい白河は積極的な言葉で由宇にアプローチを続けますが、由宇を振り向かせることはできませんでした。
由宇が白河でなく黒崎を選んだ鍵は「行動」です。白河は確かに優しいですが、由宇のピンチを常に助けたのは黒崎でした。
言葉以上に由宇の心を強く惹きつけたのは不器用な黒崎の背中でした。
気持ちを素直にいえず普段は高圧的な態度しかとれていなかったのですが、実は由宇のことだけしか見ていなかった姿。
そこには行動という圧倒的な説得力がありました。だから由宇は白河でなく黒崎を選んだのです。
ピアノが持つ意味
映画の中で重要な意味を持つのが黒崎が弾くピアノです。
由宇と同じく寮暮らしをする梶から、黒崎は伝えられない思いがある時ピアノを弾くことを由宇は聞かされました。
この場面は黒崎が風呂でのぼせた由宇を介抱した直後に挿入されています。伝えたい思いとは、いうまでもなく由宇への思いのこと。
優しい言葉をかけたのに由宇に意外な顔をされてしまったところに、言葉で思いを伝えるのが苦手な黒崎の人物像を伺うことができます。
ピアノは黒崎という人物を、ただの高圧的で怖い人物と観客に思わせないための重要な意味を持っていたのです。
映画を観た後は原作とドラマも
本作をより深く楽しみたい方には原作漫画とドラマ版をお勧めします。
原作漫画
映像では完結した本作ですが、原作漫画は現在も連載中です。
原作漫画の良い所は映画の補完ができるところ。より深くキャラクターの心情を見ることができます。
また少女漫画らしい美しいタッチの絵も魅力的です。
完結していないためまだまだ恋の行方から目を話すことができません。
映画から先に本作に入った方は、キャストの顔を頭に浮かべながら漫画を読むのも一つの読み方として楽しいことでしょう。
ドラマ版
映画の前日譚となるドラマ版は2015年にスペシャルドラマとして放送されました。
映画は単体としてドラマ版を観ていなくてもわかる内容になっています。
しかしドラマ版を観ると、より由宇や黒崎が過ごしてきた日々を感じることができるでしょう。
その結果より強く黒崎や由宇が互いを思う気持ちを理解できます。
本作が面白かった方はドラマ版も鑑賞してより深く世界観を感じてみませんか。