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2018年に公開された「劇場版ポケットモンスター みんなの物語」はテレビシリーズとは関わりを持たない作品です。
そのためテレビシリーズを観ていない観客も、一本の映画として楽しめる作品となっていました。
一方で主人公はおなじみのサトシが務め、過去の映画からルギアも登場しファンに向けた映画としての一面も持っています。
また本作にはサトシの他にも主人公と呼べるキャラクターが複数登場しました。
彼らの成長が本作の軸になっており、文字通り「みんなの物語」が描かれています。
その中でトリトは「ポケモンゲットレース」でカガチに協力しました。トリトがそのような行動をとった理由は何だったのでしょうか。
ラルゴがゼラオラのいる山に忍び込んでいた理由も合わせて考察します。
トリトとカガチが抱える問題
はじめにトリトとカガチの二人が抱える問題について振り返ってみましょう。
トリトの孤独
トリトの抱える問題は、気弱な性格から自分の考えを人に伝えられないことです。
ポケモン研究の優秀な科学者でありながら、この問題が影響して周囲との軋轢を生んでいました。
彼の過去は不明ですが物事に一途な反面、言葉で伝えることが苦手になってしまったのでしょう。
トリトに足りなかったのは自分の主張を語る言葉と度胸であると考えられますね。
自己主張ができないトリトが、作品内で起こる事件を通して成長していくのがトリトの物語です。
カガチの嘘
カガチはホラ吹きでした。彼が抱える問題は、話術が優れている分簡単に嘘をついてしまうことです。
そのためポケモンを持っていないにもかかわらず、姪のリリィに持っていると嘘を付き後に彼女を傷つけることになりました。
悪意はないのですが、自分の弱さに向き合おうとせず表面的な言葉だけで誤魔化して場を乗り切る人物です。
その自分の弱さと対峙し、乗り越えていくことがカガチの物語でした。
トリトがカガチに協力した理由
「ポケモンゲットレース」の時に、トリトはなぜカガチに協力したのでしょうか。
研究への協力
カガチは研究発表会のスピーチをサポートすることを条件にトリトと手を組みました。これはトリトにとって都合のいい話でした。
トリトは他人に対して自分の意見を主張するのが苦手なので、仲間に協力を呼びかけることができません。
そこへ協力者が現れたのですから、この話に乗らない理由はありません。
何よりカガチはとても口が上手い男です。トリトが主張できないことも代わって言葉に出してくれます。
カガチはトリトに欠けている能力を埋めてくれる存在でした。
そういったことに有益性を感じたため、トリトはカガチに協力します。