キリスト教のメタファーが多い「マトリックス」の中でギリシャ神話の名前が使用されたのも理由があります。
キリスト教は一神教であり、異教徒に対してあまり寛大とはいえません。
多神教のギリシャ神話に対しても異教徒という位置づけです。
モーフィアスがザイオンの異端児であることが、名前にも表現されていたのです。
オラクルは巫女
オラクルはマトリックス世界の創生プログラムとして登場していますが、不正プログラムの立場をとっています。
それゆえ、やはり名前もギリシャ神話に由来するものです。
有名な「デルフォイの神託」に登場するギリシャのデルフォイは、神からのお告げを神託(オラクル)してもらう場所でした。
神託こそがオラクルなのです。
言葉のメタファー
マトリックスの劇中には有名なメタファーも登場しています。
わかると出来るは違う
修行中にモーフィアスが語るセリフに下記のようなものがあります。
道を知っていることと、実際に歩くことは違う
引用元:マトリックス/配給会社:ワーナー・ブラザーズ
理解と実戦は違うということを指すメタファーです。
無知に気付き、学んでそこで満足する人が多いのが現状です。
学ぶことは大切ですが、それ以上に実践し経験することが大切なのです。
有名なマトリックコードの秘密
マトリックスといえば、緑色の文字が流れていくソースコードが代名詞です。
コードの役割はマトリックス内部の動向をオペレーターに流すことですが、このコードには隠された驚くべき秘密がありました。
コードが緑色の訳
マトリックス世界も全体に緑色を使用しており、現実世界と色分けされています。
コードもコンピューターに管理されたマトリックス世界を示す緑色をしています。
制作側は古いPCからインスピレーションを受けて緑色に決めたということです。
カタカナが使用されている
お気づきの方もいると思いますが、流れ落ちるマトリックスコードは日本人にとって馴染みの深いカタカナが使用されています。
カタカナは反転文字として使用されています。
これは監督を務めたウォシャウスキー兄弟が、親日家であり日本のサブカルチャーが好きだからというミーハー的な理由のようです。
寿司ネタを使用している
マトリックスコードに反転のカタカナ文字が使用されていたことにプラスして、何と実は寿司のレシピを元にしていたようです。
当時マトリックスのデザイナーを務めたサイモン・ホワイトリーの奥さんは日本人です。
彼女の料理本にある寿司の作り方をスキャンしてコードを作っていたのです。
数多くのメタファーを秘めた傑作
「マトリックス」は奥が深い映画とはよくいわれます。
しかし文化(キリスト教)をよく知っている人ほど、楽しめるマニアな映画といえるでしょう。
だからこそ知れば知れ程面白くなる、何度観ても考えさせられる傑作なのです。