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『ミスティック・リバー』はデニス・ルヘイン原作、クリント・イーストウッド監督の作品です。
暗い作品で救いが見いだせないといわれていますが、本当に救いはないのでしょうか。
バッドエンドの中に浮かぶわずかな救いを徹底解説しつつ、デイブのとった悲しい選択を紐解いていきます。
バッドエンドの中に観る3人の救い
本作は登場人物たちが集結するパレードのラストシーンが印象的です。
バッドエンドで救いようがない、といわれている本作のわずかな救いはどこにあるのでしょう。
ジミーにとっての救い
ジミーは自分の怒りを人殺しに向けてしまう人間です。
本作が救いようがないといわれたのは全て彼の行動によるものかも知れません。
しかし彼にも救いの手は差し出されています。
それは後妻であるアナベスの存在です。
ジミーを信じて励まし支え続ける妻の存在は、彼にとって大きな救いとなったでしょう。
犯罪者となった愛する人を見捨てることなく、この先も支えるのではないでしょうか。
ショーンにとっての救い
ショーンは冒頭で不幸な人間でしたが、ラストで幸せな男になります。
ショーンにとっての救いは妻が帰ってきたことです。
家庭という暖かな場所を手にした彼こそ、本作品の救いとなる存在です。
デイブにとっての救い
デイブは3人の中で最も辛い思いをした人物で友人に殺されてしまいますが、そんな彼にも救いはあったはずです。
それは少年の誘拐現場に遭遇し、犯人を殺せたことでしょう。
そのことが、彼が疑われ殺される原因を作ってしまったことは皮肉です。
しかし、少なくとも彼は最後に少年時代の自分を救い、犯人に復讐することができたのです。
殺人を救いというかは疑問ですが、彼にとってこの事件は大きなものだったでしょう。
本当の救いはジミーの判断に任せたこと
友人を疑い殺してしまったジミーの姿は、観る者の心を深く沈ませます。
しかし友人であるがゆえショーンがジミーの判断に任せるラストはまさに救いです。
警官ならばすぐにでもジミーを捕まえるべきですが、警官である前に友人としての選択をします。