しかし二人の恋は破局しています。
『ラ・ラ・ランド』の結末はハッピーエンドなのでしょうか、それともバットエンドなのでしょうか。
ミアにとってはハッピーエンドだった
オープニングの高速道路でのダンスは夢を追いかける者たちが大勢いることを示しています。
更に成功という出口にたどり着けるのはほんの一握りしかいないということを表現しているのです。
最後にミアが渋滞からすんなり出ていくシーンがありますが、これは夢を掴んだことを意味します。
ミアにとってセバスチャンとの恋は、過去のいい思い出といえるでしょう。
夢を掴み幸せな家庭を作れたミアにとってはハッピーエンドといえるのかもしれません。
人生に完璧なハッピーエンドなどない
一方セバスチャンにとっては夢を実現できた幸せと、元恋人が他の男性と結ばれた切ない結末となりました。
人は夢を叶えることが出来たら、一概に幸せといえるのか……。
彼の姿から考えさせられることは多いです。
彼の存在は、人生に100%のハッピーエンドはないんだということを示しているように感じます。
結ばれることがハッピーエンドではないという考え
見方を変えてみると、別れてしまってもセバスチャンとミアの間には「愛」を感じます。
お互いの成功を願っての別れ、そして最後にお互いの夢の形を確認するシーンがにくい演出です。
結ばれることがハッピーエンドという考えを捨ててみると、二人の関係はそれはそれで幸せなのかもしれないと感じます。
夢を叶えてから二人が再び結ばれても、その先には同じようなすれ違いや仕事を優先する姿があるはずです。
別れたからこそ相手を想える、という幸せの形もあるのかもしれません。
おそらく二人が今後会うことはないでしょう。
しかし、思い出の引き出しにはずっとキラキラした思い出となってお互い存在し続けるでしょう。
夢と恋の選択に正しい答えはない
『ラ・ラ・ランド』の結末は、ハッピーエンドという意見とバットエンドという意見に分かれます。
観る者を考えさせる映画なのです。
夢をとるか愛をとるか、どちらが正しいのかは誰も答えを持っていないのでしょう。
二人の結末が違っているのは、彼らの選択がハッピーエンドでもありバットエンドでもあるということではないでしょうか。