自らの孤独を埋める為に、生み出したイマジナリーフレンドは彼女に何を与えたのでしょう。
ソテツ
こんな不愛想な体ですけど、あなたに木陰をつくりますよ。
引用:きいろいゾウ/配給会社:ショウゲート
庭先に生えている誠実で優しい性格のソテツはツマの話し相手であり、アドバイザーです。
ソテツはツマの求めたムコの姿だったのかもしれません。
カンユやコソク
おはよ。なんか食べモノない?
なんか肉っぽいやつね。
引用:きいろいゾウ/配給会社:ショウゲート
カンユは姉妹のような子供のような存在で話しかけてきます。
そして近所のコソクは友達のような存在でしょうか。
動物は人間のパートナーになることが多く、ツマはそんな動物たちが自分の友達であるかのような思い込みをしているのです。
昆虫や草花たち
ポンコツだよな~
買い替えりゃいいのに。
無理、無理、貧乏だもん。
引用:きいろいゾウ/配給会社:ショウゲート
劇中ではまるでアフレコのような会話が描かれています。
ツマの周りは会話が出来る生き物で溢れていますが、全て彼女の寂しさを紛らわす存在なのでしょう。
生き物の声が聞こえなくなった理由
劇中、ツマは生き物の声が急に聞こえなくなってしまいます。その理由とはなんだったのでしょうか。
ツマの拒絶
周囲の声はツマが作り出したものです。
彼女が日記を見始めたことでムコの気持ちを知ることになります。
僕ら夫婦は日記を通してしか会話できなくなった
引用:きいろいゾウ/配給会社:ショウゲート
寂しいセリフですが、ツマは日記という手段を通してムコの心を知ることが出来たのでしょう。
現実と向き合い始めたのです。
しかし同時に夫婦間にすれ違いが生じはじめました。
本当の気持ちを知っていながら、偽の会話を繰り広げるようなズレた空間に耐えられなくなるのは当然です。
精神的に不安定になったツマは、自分で作り上げてきた「声」さえうるさく感じたのでしょう。
現実と向き合い始めたからこそ、声は消えていったのではないでしょうか。
「声」が必要なくなった
ツマには田舎暮らしの中で大地やアレチさんのような友人が出来ます。
そしてムコもツマの元に戻ってきました。
ムコとの関係が改善したことで彼女は孤独から脱出したのでしょう。
現実の友人や愛する人を手にしたツマには、イマジナリーフレンドは必要なくなったのです。
満月の影響
ツマは幼い時に満月にお願いをし、生き物の声を聴くことが出来るようになりました。
そして劇中最後でも満月にお願いをしています。
満月がムコをツマのもとに返したような演出です。
ツマは満月になると生理で身体の具合が悪くなります