ダイナマイトの開発者であるスウェーデンの化学者アルフレッド・ノーベル。
彼らも自分の思いとは真逆に使用されたことで発明を後悔しています。
本来であれば人類のために使うべき科学の技術ですが、どこかでボタンの掛け違いが起こり歯車が狂ってしまうのです。
そこには人間の欲というものが必ずあります。
かの有名な発明家や科学者たちも、自分たちの創り上げたものが壊れてしまう瞬間を目の当たりにし、苦しみ、自分たちの発明自体を後悔しました。
これはウルトロンも同様で、科学者の一歩先行く考え方が招いてしまった悪夢なのです。
間違った思想への警告
ナチスから生まれた秘密結社「ヒドラ党」の人体実験によって、特殊能力を身に着けた双子のワンダとピエトロ。
2人は最初、世界平和のためにとウルトロンにそそのかされてタッグを組み、アベンジャーズを殲滅させることに躍起になります。
ワンダとピエトロの間違った思想にのめり込むその姿は、ファシズムへの暗喩です。
全てフィクションだが、現実になるかも!?
車や電車、エレベーターなど、私たちの生活は機械なくして成りたちません。
私たち人間は、機械は決して間違いがない・ミスはしないと思い込んでいないでしょうか?
今後は自動運転の車をはじめ、医療・介護・料理など、各分野でAI技術が導入されていく時代になっていくことでしょう。
しかしその一方で、私たちの生活をより便利にしてくれるAIですが、何から何までAIに任せていいのでしょうか。
本作はAIが突然暴走してしまい、人類を殺めるという展開になっています。
フィクションだからと高を括っていませんか?
もしも、AIにプログラムとして人を殺めると設定してしまえば、ウルトロンのようなAIが生まれる可能性はなきにしもあらず。
もしかすると世界のどこかで、科学者がAI(人工知能)に人類を支配させようと準備を進めているかもしれません。
愚かな人類によって悲劇が繰り返されないように
これまでの時代を振り返っても、私たちが知っているだけでも多くの過ちがありました。
それはすべて人間が文明の発達とともに得た知識や能力を最大限に発揮した結果です。
しかし、それを意図しない方法で使ってしまったり、使われてしまったりということが招いた人的被害でもあるのです。
私たちは今、AIと人間の付き合い方を考えるタイミングにきているのではないでしょうか。
「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」はSF大作でもありますが、現代のAI技術の活用におけるアンチテーゼでもあるのです。