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カルメンはオペラの演目として不動の人気を誇っていますが、これまで世界中で映画化もされています。
近年のものは2004年に公開されたヴィセンテ・アランダ監督の「Carmam」が有名です。
魔性の女と比喩されるカルメンは、なぜこれほどまでに人を引き付けるのでしょう。彼女の人間性を紐解きながら、ホセとの関係をじっくり考察します。
また、彼女はなぜこれほどまでに自由を求めていたのでしょう。
人を魅了するカルメンの人間性
カルメンは自由奔放に生きる女性ですが、彼女が多くの人に愛される理由は何でしょう?
媚びない女性
一般的に男性ウケする女性は同性には人気がないものですが、カルメンは男女問わず魅了する女性です。
その理由のひとつが、しっかり自立していて媚びない性格にあります。
アウトローの世界に生きつつも、自分の行動には自分で責任をとるという潔さも彼女の魅力ではないでしょうか。
身近にはなかなかいない女性
劇中でホセが彼女に惹かれる理由でもあるのですが、カルメンのような情熱的で自由な女性はなかなか身近に存在しません。
魔性の女性といわれつつも憎めないのは、彼女が強さ同様に優しさを持っているからです。
カルメンは遊びの恋愛ではなく、どんな時も本気で自由と愛を探し求めています。
そんな彼女のひたむきな姿が多くの観客の心をわしづかみにしてしまうのでしょう。
女性が憧れる存在
自分の意志のまま生きるカルメンに憧れを抱く女性も少なくありません。
他人に縛られることなく自由に恋をし自由に生きる姿は、一見すると自己中心的ですがわがままに生きることが出来るカルメンは幸せな女性像でもあるのです。
カルメンは心に素直に生き、女性を謳歌しています。
自由に伴う責任を認識している
法に縛られることすら嫌がるカルメンは、本当の自由には大きな責任が伴うことをしっかり把握しています。
カルメンは多くの男性と浮名を流していますが、いずれもあとくされのない燃え上がり消えていく関係です。
ホセという生真面目な男と恋仲になることで、死を迎える結果になってしまいますが、カルメンは死さえも受け入れます。
ホセは真面目ゆえに、彼女にとっては少々面倒な男性になってしまうのですがそんな彼との結末にも「死」という形で責任を負っているのです。
原作に見るカルメンの魅力
カルメンはオペラやミュージカル、そして映画でも度々上映されている不朽の名作です。
そんなカルメンを世界へと押し出したのは、フランスの作家 プロスペル・メリメです。
彼が描いたカルメンを考察しつつ魅力を探っていきましょう。
カルメンの容姿は野性的
カルメンの容姿は下記のように比喩されています。
- 小柄で粋な姿
- 目は斜視だけれど切れ長で大きい
- 唇は厚く端正
- 髪の毛は漆黒でツヤがある
- 目は野性的で狼のような目
更に肌は滑らかて胴のような色をしていた、と記されています。
カルメンの粗く、そして魅惑的な姿は映像化される際も重要視されています。
心に嘘をつかない
死の間際もカルメンは助けを請いませんでした。そればかりかホセに自分を殺す権利があるとまで言い放っているのです。
ホセを好きだと嘘をつけば、死ぬことはなかったはずです。しかしカルメンはホセに嘘をつくこと自体が嫌だと主張します。