やり直しが効かないのが命なのです。
しかし、一度死んだ人間を生き返らせることで命はとても軽い存在になるのでしょう。
GANTZは死人を生き返らせることが出来るので、命へ対しての認識が低いのかもしれません。
だからこそ、命をゲーム化して効率よく目的を達成しようとしていたのではないでしょうか。
人間はなぜ先に攻撃を仕掛けたのか
劇中で千手観音は、自らの正当性を主張していました。
なぜ人間は先に攻撃を仕掛けてしまうのでしょう。
自己防衛の為
先に攻撃してきたのはお前達だ
お前達は仲間を殺した
復讐する
引用:GANTZ/配給会社:東宝
千手観音によってこの言葉が発せられた時、観る者の正義と悪が逆転します。
ネギ星人の子供を殺したこと、おこりんぼう星人を襲撃したこと……先に手を出したのは人間側だったのです。
なぜ人間が先に星人たちを襲うのか、その理由はGANTZの存在意義に繋がるものではないでしょうか。
GANTZが生み出されたのは、地球を襲撃する強力な敵を滅ぼす為です。
害のない星人を殺していくのは、その為の訓練と考察できます。
少しずつ地球へと移住してきている星人達は、全員が地球を侵略しようと思っているわけではありません。
地球人の自己防衛本能が、罪のない星人達を殺してしまっているのです。
人間の弱さを非道に反映させた過去の戦争を彷彿とさせます。
GANTZがおこなっているのは紛れもなく、未来型の戦争の姿ではないでしょうか。
洗脳されていた戦時中を彷彿とさせる
戦時中に敵は鬼畜であると洗脳されていた日本人ですが、罪のない星人を殺す姿は当時の日本人を彷彿とさせます。
GANTZは敵を倒す為にプログラムされた兵器です。
劇中では兵器の意思に支配され、生き残るために相手を殺しているのです。
この作品を深読みしていくと、人間の持つ弱さと残虐さが浮き彫りになるのを感じます。
死者を兵士として使う理由
なぜGANTZは生きた人間ではなく、死者を兵士として選んだのでしょうか。
生き返らせる能力を持っていた
GANTZの機能のひとつに、死んだ人間を蘇生させることが出来るというものがあります。