通常の学識ではティラノサウルスの平均寿命は30年程といわれています。
しかし劇中に登場するティラノサウルスは老いを感じさせぬパワーと体力を持っています。
人間が生命を操作する罪を犯したことへの警鐘が少しづつ鳴っていくのです。
オーウェンたちがガリミムスから逃げるのはオマージュ
ヌブラル島の火山が噴火した際、オーウェンたちが脱出しようと必死に走るシーンがあります。このシーンもどこかで観たような気がしませんか?
オーウェンたちの近くを走り抜ける恐竜は、1作目同様ガリミムスです。
ガリミムスはとても足の速い恐竜として有名で、1作目ではアラン・グランドがガリミムスたちと共に逃げています。
このように「ジュラシック・ワールド炎の王国」では1作目を彷彿させるシーンが多く盛り込まれています。それらは前作品へのオマージュのようです。
命は人工的につくり上げて良いのか
ジュラシック・ワールド炎の王国の大きなテーマは人間が命を創り出してしまうことへの警告です。
劇中には恐竜だけでなく人間のクローンも登場しています。彼女の存在意味とは一体何でしょう。
メイシーに決断を任せた意味
ラストシーンで恐竜を生かすか殺すかは大きな問題です。
恐竜を人間社会に放つのは人間社会の崩壊を意味し、多くの犠牲が出ることでしょう。
しかし、人間が勝手に創り出した命を勝手に奪ってしまうのも傲慢というものです。
事実恐竜保護を訴えているクレアでさえ、恐竜を生かすか殺すか迷っています。
しかしそれをまだ幼いメイシーに託したのは、メイシーもまた作り出された命を持つクローンだからです。
人間の罪を被害者であるメイシーに裁いてもらった形になります。メイシーは「私と同じクローンにも命はある」と言っています。
メイシーは子供ですが、恐竜に襲われており恐竜を解き放つことが何を招くかを十分に熟知しているので、全てを分かったうえでの決断だったのでしょう。
この決断には創った命を制御しようとしている、人間の傲慢さへの怒りも感じます。
「ジュラシック・ワールド 炎の王国」はメッセージ性の高い映画
ジュラシック・ワールド炎の王国は、これまでにないほど高いメッセージ性を持っています。
ただのパニック映画ではなく、これからの未来に人間が犯すであろう罪への警告を鳴らしています。
そして、1作目から続くオマージュはファンを魅了し、再びシーリーズを通して観たいと思わせる映画となっているのです。