出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B005UIRE38/?tag=cinema-notes-22
1948年公開のイギリスのバレエ映画である【赤い靴】は、公開当時、56日間で33万人も動員したといわれるほどの話題となっています。
本作は、バレエ映画の不朽の金字塔ともいわれています。
本作のファンである映画監督のマーティン・スコセッシが2年の歳月をかけて、デジタルリマスター・エディションを制作しています。
このデジタルリマスター・エディションは、2009年カンヌ国際映画祭にて、世界初公開されています。
ヴィクトリアにとって踊ることとは?
生きることと同じ『使命』
レルモントフとヴィクトリアが出会った頃、レルモントはヴィクトリアに尋ねたのです。
ヴィクトリアにとって踊ることとは何かという問いに対して、ヴィクトリアもまた質問で返しました。
レルモントに人生とは何かを尋ねた答えが「使命」でした。それと同じで、ヴィクトリアにとっての踊りは「使命」だと話しています。
ヴィクトリアのダンスを見せられる為に、パーティへと参加させられたレルモントですが、見事に彼女のダンスに魅せられました。
そして、すぐに思いつきで彼女を自分の劇団に勧誘したのでした。
移り変わっていく各々の心情
自分の使命は踊ることだと感じていたヴィクトリアは赤い靴の舞台を通してクラスターと恋仲になります。
今まではバレエ一筋だったヴィクトリアも、クラスターと一緒にいたいと思い始めます。
クラスターの方は、元々作曲のセンスがあり、教授に盗作されたことがきっかけで劇団に加入します。
ヴィクトリアと付き合い、劇団を抜けた後にも音楽と向き合う時間を作っていました。
なので、劇団を抜けた後でも彼の作る音楽は評価されていたのです。
しかし、彼もまた嫉妬から自分の初舞台を抜け出し、ヴィクトリアの元へと駆けつけてしまいます。
レルモントフは自分が生きる中で、小さいものを大きくすることに生き甲斐を感じてくるようになります。
自分が手がけた舞台が話題を呼び、人気がでることを何よりも誇りに思っていました。
自分がかける仕事への熱意を、ヴィクトリアにも持ってもらいたかったのです。
約20分にも及ぶ、【赤い靴】の上映シーンに圧巻
映画の中盤で、赤い靴の上映シーンがあります。
本物のバレエダンサー達が繰り広げる演技は、約70年前の映画とは思えない程見ごたえがあります。
映像技術やCGを取れば、確実に現代の方が上回っていると分かっていても目が離せなくなります。
それは、バレリーナたちの踊りを筆頭に、実際の舞台セットの演出などが優れているからではないでしょうか。
様々な場面で、様々な小道具が使われており、その使い方や色使い、曲調とマッチしています。
さらに素晴らしい舞台を映像にしているだけあり、合成映像が加わります。
波が押し寄せてきたり、次々とヴィクトリアの見つめる相手が変わっていたりしました。