エスターが大切にしていた聖書は、元から彼女のものだったわけではありません。
聖書に精神病院のスタンプが押されていたことから、その精神病院に置いてあったものを私物化したのだと考えられます。
彼女が敬虔なクリスチャンだったという仮説も立てられますが、それならば自分の聖書を最初から持っていたはずです。
ではなぜ精神病院の聖書なのでしょうか。
以前起こした殺人によって、エスターは精神病院に入っていました。
その殺人の戦利品として病院の聖書を持っていたという可能性があります。
入浴中に施錠
エスターは入浴する時に必ず鍵をかけていました。
安全上の理由でケイトが叱っていましたが、それでもエスターには施錠せざるを得ない2つの理由がありました。
1つ目は、リボンで隠した手首と首の拘束跡を見られないようにするため。
さすがにリボンをつけたままで入浴するわけにもいきません。
びちゃびちゃに濡れたリボン姿を家族に見られたら、不審がられるにきまっています。
2つ目の理由は、裸を見られたら9歳ではないことがバレるということ。さすがに一般的な9歳児の体とは違うのでしょう。
不意にケイトが風呂場に来ないように、前もって対策を立てておくところがエスターの頭の良さです。
成長しない病気は実在する?
33歳のエスターが9歳児に見えるのは、「ホルモン異常の下垂体機能不全で発育不全」が原因でした。
正式な病名は「成長ホルモン分泌不全性低身長症」だそうで、遺伝性のものは極めて稀です。
この病気の85%は原因不明なので、誰に発病するかは分かりません。
低身長症
日本には現在6000人の成長ホルモン分泌不全性低身長症患者がいると推測されています。
つまり約2万人に1人の割合で発病しているのです。
頭と手足のバランスが悪い患者もいれば、エスターのようにバランスのとれた患者もいます。
成人した患者の平均身長は120〜140cmくらいになります。
一般的な9歳女児の平均身長が130cmくらいなので、そのくらいだと思ってもらえればいいでしょう。
エスターが9歳に見えるという年齢設定も、この病気をきちんと調べた結果なのかもしれません。
エスターを見ていると、この病気には治療方法がないのだろうと思うかもしれませんが、場合によっては治療が可能です。
早期に治療を行えば、成人したときには正常身長になる可能性があるのです。
そのためには成長ホルモンを投与するのですが、すでに33歳のエスターは残念ながら手遅れになってしまいました。
火を見るのが好き
ダニエルを小屋ごと燃やそうとしたり、以前里親だった家庭も放火されたりと、エスターの周辺は火災が頻発しています。