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川口俊和の小説家としてのデビュー作品で、小説家よりも前に舞台作品として公演されていました。
映画公開4日間で観客動員数は29万5000人を超え、2017年の本屋大賞にもノミネートされた話題作です。
コーヒーが導いてくれる過去や未来と、その結末に多くの人が涙しました。
過去から大切なものを持って帰った人々は、何を持ち帰ってきたのかを考察します。
タイムスリップできる喫茶店とややこしいルール
『フニクリフニクラ』に集まる様々な客たち
ある席に座ると、時空を超えて、タイムスリップできるという都市伝説がある喫茶店『フニクリフニクラ』。
普通にコーヒーを飲みお喋りを楽しむ人もいれば、都市伝説を聞き、興味半分に来る人もいます。
過去に戻って、その頃からやり直したいと思う人ももちろんいました。
ひとりひとり、過去に対しての後悔や想いがあり、タイムスリップしていきます。
サラリーマンやOL、学生など幅広い層で、ひとりで来たり恋人や友達と来たりとさまざまな人々が訪れます。
ルールは必ず守らなくてはならない
- 過去に戻って、どんなことをしても、現実は変わらない。
- 過去に戻っても、喫茶店を出ることはできない。
- 過去に戻れるのは、コーヒーが冷めてしまうまでの間だけ。コーヒーが冷めないうちに飲み干さなければならない。
- 過去に戻れる席には先客がいる。席に座れるのは、その先客が立った時だけ。
- 過去に戻っても、この喫茶店を訪れたことのない人には会うことができない。
タイムスリップを行うにはややこしく面倒なルールがありました。このルールのせいで、面倒で諦めて帰ってしまう人は多いのです。
それに、タイムスリップすることができる席には、幽霊である謎の女がいるので、トイレの為に席を立った瞬間しかタイムスリップできません。
過去に戻って現在を変えたいと思う人や、新谷のように死んだ猫に会いたいなどということはできないのです。
特にコーヒーが冷めないうちに、コーヒーを全て飲み干さなければ、現在には帰ってくることができずに幽霊になってしまいます。
タイムスリップした時点でコーヒーは少しぬるくなっており、ほんの一瞬しか時間がありません。
それでも、自分の後悔したことや想いを伝えにあらゆる人がタイムスリップしていったのです。
ルールが面倒なので、常連の客でも実行しない人の方が多い為、都市伝説として扱われているのでしょう。
泣かずにはいられない理由とは?
「4回泣けます」の4回とは?
この映画はひとつの軸を元に4本の作品がオムニバス形式で、順番に流れていきます。
- 恋人
- 夫婦
- 姉妹
- 親子
それぞれが異なる種類の話で、それぞれに感動し、泣ける場面があるのです。
4つの話があるので、1つの話あたり1回泣くということでしょう。
タイムスリップする人と、会いに行った相手の関係性などが全く異なるので、見ている人を飽きさせることもありません。
過去に戻ったことで、当時に知ることができなかった事実を知り、現代に戻ってから、自ら未来を変えるように動いていくのです。
過去に戻っても現実は変わらないというルールがありましたが、事実は変わらなくとも心境は変わり、前を向くことができるのでしょう。
演技派俳優が揃う涙溢れる演技
有村架純・健太郎を筆頭にそれぞれのエピソードのメインの役柄は何とも豪華な俳優が揃っています。