雰囲気をまとめる突っ込み役の佐藤大樹さん、新川優愛さんなど、バランスのよいキャストが本作品の要でもあります。
このバランスの良さが、作品の雰囲気をバラつかせず、飽きずに観られるノンストップコメディに作り上げているのです。
浜辺美波の熱演
東宝シンデレラオーディションから「君の膵臓を食べたい」での演技は東宝若手のエースといっていい活躍ぶりです。
近年はコメディなどふっきれたキャラの熱演にも注目が集まっており、女優としての実績を着実に積み上げています。
コメディエンヌとしての覚醒
「賭ケグルイ」でも見せた濃いキャラクターを演じきる実力を、「センセイ君主」ではさらにコメディエンヌとしての適正をみせるように演じました。
原作の再現度
原作の佐丸あゆはは、激しい行動と情熱的な感性でまわりを巻き込むラブコメディのヒロイン、また、コミックとしては最適なキャラクターです。
実写化ではどこまで不自然にならずキャラクターを作れるか、にも注目が集まりました。
そしてその期待に応えるように、コミックでのさまるんがそのまま出てきたような、振り切った演技で見事に原作を再現していました。
アラフォーに刺さるコミック小ネタ
原作・映画とも若い世代の女性に向けた作品と思うのですが、あきらかにそうではない小ネタが作品の随所にちりばめられています。
そんな小ネタを探すために2回目を観てもいいのではないでしょうか。
恋愛映画に桜木花道
少年ジャンプで連載されていた高校バスケを題材にした「SLUMDUNK」は、バスケ男子には説明の必要がないほどの大人気作品です。
虎竹がさまるんに「桜木花道かよ!」と突っ込むシーンは、あきらかに「SLUMDUNK」を知る層に向けた突っ込みでした。
男子が喜ぶスカウター
さまるんが数学準備室で自然に装着したスカウターは、古くは少年ジャンプやアニメ、今でも「DRAGONBALL超」など長く愛されてるアイテムです。
作品内では恋愛戦闘力を計測していますが、「DRAGONBALL」を知る男子にもサービスした演出なのではないでしょうか。
進撃の巨人
「駆逐してやる!」と、うわ言のように呟いていたのは、人気コミックで映画・アニメ化もされた「進撃の巨人」で有名なフレーズです。
ちりばめられたモノマネ
佐丸あゆはがしていたモノマネからも、月川監督の遊び心が感じ取れます。
場面のつなぎとして細かいモノマネが入っており、あきらかに昭和世代の喜ぶものです。
もしかしたら、月川監督の趣味そのものなのかもしれません。
金八
弘光先生をはじめて爆笑させた「3年B組金八先生」から、モノマネの定番でもある金八先生が随所に見られます。
パーフェクトヒューマン
新川優愛の演じる柴門先生に嫉妬をむき出しにしながらしたモノマネが、オリエンタルラジオの「パーフェクトヒューマン」でした。
小泉総理
合唱コンクール表彰式で、校長と思われる先生が授与のときにしたモノマネは、なんと小泉元総理です。
小泉元総理が貴乃花優勝の際の授与で思わずでた有名発言が元ネタとなっています。
音楽ネタ
「センセイ君主」の中では1990~2000年代を中心にした音楽ネタが随所に織り込まれています。