ハリー・ポッターシリーズで、最も恐ろしい存在であるディメンター。
観ているだけで背筋が凍るような存在感です。
ディメンターの存在
本作品をダークなカラーに染めているディメンターは、人々の幸福感を吸い取ることに執着した存在です。
ハリー達の敵という訳ではなく、幸福感を吸い取るために存在している闇といったところでしょうか。
シリウスがアズカバンで正気でいられたのは、彼の中の幸福感が薄かった為といえるでしょう。
また彼はアニメ―ガスであり犬に変身することで、動物として認識されるためディメンターの餌食にはなりません。
なぜハリーを狙うのか
劇中でディメンターは、ハリーを狙う吸魂鬼というイメージがあります。
しかし特別にハリーを狙っている訳ではありません。
見た目はどう見ても悪ですが、存在的には悪というわけではないのです。
人の幸せを糧としている為、どうしても忌み嫌われてしまいますが、彼ら側に立つと魂を吸うのは生きる為に必要な行為という訳です。
この後の話でヴォルデモートサイドに付きますが、それはヴォルデモートが彼らの餌を大量に約束したがための契約のようなものです。
もしもハリーがヴォルデモートのように、彼らに大量の餌を約束したら、ディメンターはハリーの味方になることもあるはずです。
作者はうつ病だった
「ハリー・ポッター」シリーズの作者J・K・ローリングは、波乱万丈な人生を歩んだ女性です。
母親の死亡、離婚、生活保護など苦労の連続の中で執筆活動をしています。
「自殺も考えた」ことがあると英北部エディンバラ大学の学生誌に明かした。
この時の経験が、ハリー・ポッターシリーズに登場するディメンターのもととなった。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/J・K・ローリング
うつ病を患ってしまった彼女が、そこからディメンターという闇の存在を生み出したのは、天才的才能ではないでしょうか。
人の幸せを吸い込み、再起不能にしてしまう存在、傍にいるだけで生きる希望を失う存在。
ディメンターはまさにうつ病そのものです。
いいかえれば、誰しもの心に住む闇の部分がディメンターなのです。
だからこそ黒装束の彼らを見ただけで、背筋が凍るような恐怖が観客を包んでいくのではないでしょうか。
「アズカバンの囚人」はシリーズの雰囲気が変わった
ハリー・ポッターファンならお気づきかもしれませんが、本作「アズカバンの囚人」から作風が大きく変わっています。
「ハリー・ポッターと賢者の石」「ハリー・ポッターと秘密の部屋」が子供向けの映画だとすれば、今作品は大人向けの映画です。
内容がぐんとシリアスになり、ダークなイメージが強く打ち出されています。
監督はクリス・コロンバス監督から、アルフォンソ・キュアロン監督へ変わりました。
またダンブルドアを演じていたリチャード・ハリスの死によって、マイケル・ガンボンが新たにダンブルドアを演じています。
これらの要素も踏まえて、新たなハリー・ポッターシリーズの幕開けとなったのです。
ハリー・ポッターシリーズ!見逃してはいけない作品
「アズカバンの囚人」は、ハリーの父親を取り巻く環境や両親の死の謎など、絶対に外せない物語が詰まっています。
だからこそより深く理解しておきたい作品です。
今作品で登場した忍びの地図や逆転時計はファンの中でも圧倒的人気を誇るアイテムとなっています。
続編のハリ―・ポッターシリーズを観る前に、もう一度深く読み解いておきたいものです。