劇中、ダンブルドアの呪いの症状をみたスネイプもこの事実に気が付いています。
当然ダンブルドア自身も自分の死期を感じていたのでしょう。
自分の「死」を利用して、スネイプを徹底したスパイにしたともいえます。
彼は116歳にして生涯を閉じましたが、最後まで他者を思いやる優れた校長でした。
「謎のプリンス」本当の敵はスネイプではない
「謎のプリンス」で明確な姿でハリーの前に敵として表れたのは、スネイプではなくドラゴ・マルフォイでした。
デスイーターになった理由
ドラゴは登場時から嫌な奴でしたが、デスイーターになるような人物には見えませんでした。
しかし彼は、父親の影響でデスイーターへと落ちてしまったのでしょう。
前作「不死鳥の騎士団」で失態を犯した父ルシウスの為に、いわばドラゴは犠牲になったのです。
ドラゴがダンブルドアを殺せるとは誰も思っていないはずです。
当然指令をだしたヴォルデモートも、そう思っていたことでしょう。
おそらくドラゴが失敗することを前提に指令をだし、失敗したら父親の失態への見せしめとして殺したに違いありません。
母親は全てを把握したうえで、スネイプと誓いを結んだのです。
ダンブルドアはドラゴを助けた
ダンブルドアは、スネイプから全ての計画を聞いていた可能性が高いです。
ドラゴがデスイーターにされたこと、見せしめとは知らず自分を殺しに来ることも知っていたのでしょう。
そして、ドラゴがデスイーターになるほど悪人ではないこともわかっていたのです。
事実、ドラゴは殺人を犯せませんでした。
ダンブルドアがスネイプに託したのはハリーだけではなく、ドラゴの今後こともあったのではないでしょうか。
今作品の大きなキーアイテム「分霊箱」
今作品で、ヴォルデモートとの対決ムードが一気に高まりました。
キーアイテムとなるのが分霊箱です。
ヴォルデモートは戦いで死ぬことはない
ヴォルデモートの謎が次々と解かれる中、分霊箱という存在が作品を大きく左右していきます。
ホークラックスの呪文を教えたホラススラグホーンにもう少し先見の目があったなら、と思わずにはいられません。
1つ目の分霊箱はすでに「秘密の部屋」で登場していました。
それは嘆きのマートルを殺害したことでつくり上げたトム・リドルの日記です。
今作品で破壊したマールヴォロ・ゴーントの指輪
今回出てきた分霊箱マールヴォロ・ゴーントの指輪は、自分の父親を殺して作ったと考えられます。
原作には明記されているのですがマールヴォロ・ゴーントは、ヴォルデモートの祖父にあたります。
ダンブルドアがこの指輪をはめて呪いにかかったことが、ラストシーンの大きな引き金になっているのは間違いありません。
今後のストーリーを語る上でも重要なアイテムといえるでしょう。
4人のヴォルデモート
今回ヴォルデモートの子供時代も描かれており、ヴォルデモート役として4人登場しています。
- 孤児院時代の11歳を演じたヒーロー・ファインズ・テフィン
- 分霊箱に気が付いた16歳を演じたフレンク・ディレイン
- トム・リドルの18歳時代を演じたマイケル・ベレント
- ヴォルデモートとして登場したレイフ・ファインズ
この中でヒーロー・ファインズ・テフィンは、ヴォルデモート(レイフ・ファインズ)の甥っ子なのだそうです。
そういわれて見ると少し顔が似ています。
ヴォルデモートとの戦いが始まる終盤戦
「謎のプリンス」は、シリーズも佳境に入りこれまでの伏線がどんどん回収されていきました。
敵と味方の境界線も次第に姿を現し始め、スネイプの真意を理解したうえで見返すと、とても切ないストーリーが見えてきます。