しかし本作の序盤で、キアヌの髪が丸坊主ほど短かった印象をもつ方は少ないでしょう。
キアヌの髪が伸びるのを待つために急遽撮影の順番を変え、髪型がわからない遠景のシーンからの撮影となったのです。
本格的な撮影が始まったのは、キアヌの髪が伸び始めた3週間後だったといわれています。
大ヒット作品のモデル作とは
脚本家公言のモデル作品『暴走機関車』
『スピード』にモデル作品があることをご存知でしょうか。
本作の脚本家であるグレアム・ヨストは、モデル作品が『暴走機関車』だと、DVDの音声解説で公言しています。
『暴走機関車』は1985年に公開されたアメリカ映画ですが、実はその原案は黒澤明だったのです。
黒澤明がハリウッド進出の足掛かりとして作ったものでしたが、脚本が翻訳されるなかで内容も変更されました。
制作側と折り合いがつかなかったため、黒澤明が『暴走機関車』の制作から離れたのです。
しかし本作の脚本家であるグレアムの父は『暴走機関車』の撮影に携わっていました。
そこから興味をもったグレアムは『暴走機関車』の脚本を読んで、本作の物語を思い付いたのです。
似たシーンや設定のある2作品
公言はされていませんが、本作と似たシーンや設定のある映画があります。
それが1975年に公開された邦画『新幹線大爆破』と1976年に公開されたアメリカ映画『大陸横断超特急』です。
『新幹線大爆破』には、時速80キロを下回ると新幹線が爆破する設定があります。
まさしく本作でのバスのシーンと同じといえるでしょう。
また『大陸横断超特急』はストーリーの流れが本作と似ていることで有名です。
主人公が特急列車で女性と出会い、そこから事件に巻き込まれます。
主人公は次々と乗り物を変えていき、最後は特急列車に戻り、ヒロインと共に列車の暴走に巻き込まれる。
本作と作品の雰囲気は全く異なりますが、物語の設定や流れが似ていると一部ファンの間で話題になりました。
25年後に明かされた驚きの事実
『スピード』で一躍有名となったキアヌ・リーヴスとサンドラ・ブロック。
現在も数多くの映画で重要な役を任されている二人ですが、実は本作の撮影当時両思いであったと明かしています。
二人が当時の思いを明かしたのは、映画が公開されてから25年が経った2019年。
アメリカの人気トーク番組に、別々に出演したときでした。
サンドラが先に出演をし、25年前にキアヌが好きだったことを告白。
次にキアヌが出演をした際、キアヌもサンドラのことが好きだったと告白し、話題となりました。
結局、仕事の関係のまま撮影の終わりを迎えた二人。
しかし付き合わなかったからこそ、現在まで仲良くしているとキアヌもサンドラも話しています。
低予算やキアヌの髪型、それにモデル作品など作品以外にもみるべきところの多い本作。
そういった作品外のことも知ったうえで観ると、別の魅力や新しい発見があるかもしれません。