失敗するかもしれない、恥をかくのではないかという不安ばかり頭をよぎります。
だからコンフォートゾーンの中にとどまることを選択する人が多いのです。しかしここから出ないことには成長できません。
カールはあの怪しい自己啓発セミナーのお陰で偶然にもコンフォートゾーンを抜け出すことに成功したのです。
YESとポジティブは無関係
YESと答え続ける誓約を立てたカールは、何が起ころうともポジティブに捉えました。
それはさすがに良くないと思う結果になっても、彼のポジティブ思考は止まりません。
YESといえば良いことが起こると盲目的に信じていたのですから。
もしNOと答え続ければ良いことが起こると信じていたら、彼はNOさえもポジティブに受け取っていたはずです。
何事も自分の受け取り方次第という教訓を含んだ作品だといえるでしょう。
YESは人生のパスワード
この映画には「人生のパスワード」と副題が付けられています。
もし「何に対してもYESと答えよう」と伝えたかったら、「人生のキーワード」とした方が適切なのではないでしょうか。
キーワードではなくパスワード
パスワードというと個人情報が入ったサイトにログインする時などに使われることが多いと思います。
今回は人生のパスワードですから、人生の入り口に立っていると想像すると分かりやすいかもしれません。
一方キーワードですが「手がかり・ヒント」と言い換えることができます。
つまり人生において何か迷った時にはYESといえば良いよというニュアンスになってしまうのです。
しかしYESだけでなくNOも人生では重要。
YESでも開かない扉
人生の入り口に立った時、YESがパスワードになって扉が開く。そんなイメージを監督は思い浮かべたのでしょう。
カールは今までNOというパスワードしか持っていませんでした。
だから人生の入り口に立ったとしても開けられずに立ち止まってしまったのです。
退屈なルーティーンワークをこなす彼にとって、新しいパスワードを得るチャンスは皆無。
そんな彼にある日YESのパスワードをゲットする機会が訪れました。イエスマンになることで扉が開くことを期待します。
ここで問題です。カールがイエスマンになった途端、人生の扉は開きましたか?
新しく輝かしい人生は目の前に広がったのでしょうか。
結果的には開きませんでした。確かにYESというパスワードを手にしたはずなのに。
真のYES
イエスマンを続けるカールは、1番失いたくないものを失う危機に陥りました。
YESの誓約のせいで、恋人アリソンと修繕不可能と思われる程の喧嘩をしてしまったのです。
これでは人生の扉が開いたことにはなりません。ではパスワードの正解は一体なんなのでしょうか。