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【イエスマン“YES”は人生のパスワード(ネタバレ)】“YES”の真の意味を徹底考察!イエスマンを実体験したモデルとは?

出典元: https://www.amazon.co.jp/dp/B078HH7CYC/cinema-notes-22

元気になれるオススメの作品として紹介されることも多い映画「イエスマン“YES”は人生のパスワード」

主人公のように何に対してもYESをいいまくるのはさすがに厳しいけれど、ちょっと真似してみようと思った人も多いのではないでしょうか。

完全なるフィクションかと思いきや、イエスマンを体を張って実践したある人物をモデルにした作品です。

そしてこの映画、ただのポジティブ作品とはちょっと違います。

作者が伝えたかった裏の意図と主人公が悟ったYESの真の意味について徹底解説しましたのでご覧下さい。

イエスマンを実体験したモデルとは?

イエスマン “YES”は人生のパスワード 単行本(ソフトカバー)

全てのことにYESと答え続けたらどうなるかという試みを実践したとんでもない人が実在しました。

それはイギリスBBCのラジオディレクターだったダニー・ウォレスさん。

彼はこの試みを小説にし、2005年にベストセラーとなりました。その小説が2008年に映画化されたのです。

映画の中で繰り広げられている出来事のほとんどは彼が実際に体験したこと。

女性と出会ったり貴重な体験をしたりと良い出来事もありましたが、やはりそれだけではありませんでした。

ノリで車を買わされたり地球の反対側まで旅行するはめになるなど、結構なお金が出て行ってしまったそうです。

現在ではすべてにYESと答える生活はやめていますが、以前よりもYESという頻度は増えているとのこと。

YESということによって得られた体験は、お金にはかえがたい素晴らしいものだったのでしょう。

NOからの脱却

Yes Man [Italian Edition]

カールの人生は毎日同じことの繰り返しでした。友人からの誘いも断り、家と職場の往復だけ。

NOと答えるカールには何の信念も考えもありません。ただ面倒くさがりで臆病なだけだったのです。

何にもチャレンジしたくない、ぬるま湯に浸っていたいという思いはカールだけではなく私達の中にも当然あります。

今のままで良いと思っている人は「コンフォートゾーン」に居座っている状態です。

コンフォートゾーンは快適

コンフォートゾーンとは、何の不安もなく居心地の良い環境のこと。慣れ親しんだ日常はまさしくコンフォートゾーンなのです。

頑張らなくても生きていける環境であるがゆえに、このゾーンにいる限り人間は成長できないといわれています。

以前のカールはまさにこのコンフォートゾーンに居座っている状態でした。

そんなある日強制的にコンフォートゾーンから追い出されたカール。その原因はイエスマンになったことでした。

圧倒的な成長

コンフォートゾーンから抜け出すと人間は圧倒的に成長することができます。

そのためには自分が今まで選ばなかった選択肢をチョイスしなければなりません。彼の場合はYESと答え続けることでした。

NOで積み重ねてきた人生をぶち壊す行為は、間違いなくストレスがかかったはずです。

経験したことのない世界に足を踏み出すには勇気が必要。

失敗するかもしれない、恥をかくのではないかという不安ばかり頭をよぎります。

だからコンフォートゾーンの中にとどまることを選択する人が多いのです。しかしここから出ないことには成長できません。

カールはあの怪しい自己啓発セミナーのお陰で偶然にもコンフォートゾーンを抜け出すことに成功したのです。

YESとポジティブは無関係

ロンリー・ハート

YESと答え続ける誓約を立てたカールは、何が起ころうともポジティブに捉えました。

それはさすがに良くないと思う結果になっても、彼のポジティブ思考は止まりません。

YESといえば良いことが起こると盲目的に信じていたのですから。

もしNOと答え続ければ良いことが起こると信じていたら、彼はNOさえもポジティブに受け取っていたはずです。

何事も自分の受け取り方次第という教訓を含んだ作品だといえるでしょう。

YESは人生のパスワード

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この映画には「人生のパスワード」と副題が付けられています。

もし「何に対してもYESと答えよう」と伝えたかったら、「人生のキーワード」とした方が適切なのではないでしょうか。

キーワードではなくパスワード

パスワードというと個人情報が入ったサイトにログインする時などに使われることが多いと思います。

今回は人生のパスワードですから、人生の入り口に立っていると想像すると分かりやすいかもしれません。

一方キーワードですが「手がかり・ヒント」と言い換えることができます。

つまり人生において何か迷った時にはYESといえば良いよというニュアンスになってしまうのです。

しかしYESだけでなくNOも人生では重要。

YESでも開かない扉

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人生の入り口に立った時、YESがパスワードになって扉が開く。そんなイメージを監督は思い浮かべたのでしょう。

カールは今までNOというパスワードしか持っていませんでした。

だから人生の入り口に立ったとしても開けられずに立ち止まってしまったのです。

退屈なルーティーンワークをこなす彼にとって、新しいパスワードを得るチャンスは皆無。

そんな彼にある日YESのパスワードをゲットする機会が訪れました。イエスマンになることで扉が開くことを期待します。

ここで問題です。カールがイエスマンになった途端、人生の扉は開きましたか?

新しく輝かしい人生は目の前に広がったのでしょうか。

結果的には開きませんでした。確かにYESというパスワードを手にしたはずなのに。

真のYES

イエスマンを続けるカールは、1番失いたくないものを失う危機に陥りました。

YESの誓約のせいで、恋人アリソンと修繕不可能と思われる程の喧嘩をしてしまったのです。

これでは人生の扉が開いたことにはなりません。ではパスワードの正解は一体なんなのでしょうか。

それが分かるのはカールがアリソンに自分の心の中をありのままに伝えた時です。

彼の本当のYESはアリソンの心の鍵を開け、自分の人生の扉も開けることができました。

口先だけのYESではなく、心からのYESがパスワードであり真のYESだったのです。

YESの弊害

Yes Man (Single-Disc Edition)

時間は有限です。誰にとっても1日は24時間だし、1年は365日しかありません。

その時間を使ってあらゆるものにYESといってしまったら、本来出来たであろう何かにNOといわざるを得ないのです。

例えば職場で残業を頼まれた時にYESと答えれば、本来予定していた家族との食事の時間を犠牲にするはめになります。

または何か1つの事を極める方が自分を高められるケースもあるでしょう。

これらのことからも、何にでもYESというのは良いことだとは断定できないのです。

ポジティブは正義か

成功するには ポジティブ思考を捨てなさい 願望を実行計画に変えるWOOPの法則

YESと言い続ける中でもちろん悪い出来事も起こりました。しかしカールはポジティブを貫きます。

昨今ではポジティブは正義、ネガティブは悪という風潮があります。

しかし常にポジティブであることに両手を挙げて賛成していいのでしょうか。

ポジティブは現実逃避

本当は受け入れがたい現実だったとしても、ポジティブ思考をすることで目を背けることができます。

これは現実逃避と何が違うのでしょうか。

目の前で起こっていることを受け入れたら自分が壊れてしまう。そんな時に現実逃避をします。

現実を受け入れるにはポジティブだけでは役不足な時だってあります。

ネガティブ思考で最悪の状況を想像したり、反省点を見つけることの方が数倍重要な場合もあるのです。

ポジティブは良くてネガティブはダメといった短絡的な発想が人生を豊かにしてくれるのかどうか判断する必要がありそうです。

思考停止

思考停止という病

機械的にポジティブへ変換したとして、それは思考停止とさほど変わらないのではないでしょうか。

NOと言い続けた時もYESの誓約を立てた時も、カールは意見を自分の頭で考えることはしませんでした

中身の無いポジティブでは真のイエスを引き出すことは不可能なのです。

皮肉まじりの本質

観客もただYESといえば物事が上手くいくのだと主人公同様錯覚したことでしょう。

確かに今まで出来なかった体験をするには、良い案かもしれません。

しかしそれでは自分の頭で考えて出したYESではないはずです。

皆さんちゃんと考えてますか?と問題提起することが、この映画の本質です。

この作品を観てYESさえいっていれば良いとかポジティブになろうなどと思い立った人に向けて皮肉を交えて訴えているのです。

自分の人生の主人公は自分です。誰かに答えを与えてもらおうと思うのではなく、己の心に耳を傾けてみましょう。