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人気ミステリ作家東野圭吾の、累計310万部を誇る「マスカレード」シリーズ第一作の映画化「マスカレード・ホテル」。
ファンの間では原作が出版された時から映像化が待たれていた作品です。
年齢を重ね渋みさえ加わってきた木村拓哉、意外にも刑事役の挑戦は初めて。
コンビを組むホテルマン・長澤まさみとも初共演で、この二人を中心にダイナミックかつ華麗な謎解きが繰り広げられます。
主役の活躍は外せませんが、何と言っても客として登場する一癖も二癖もある俳優陣の怪演が大きな見どころ。
彼らにこそ「マスカレード」に隠された意味を見出すことができるのです。
タイトルは何を語っているのか
マスカレードとは?
マスカレード(MASQUERADE)とは、「仮面舞踏会」のこと。
映画やドラマでご覧になった方も多いかと思いますが、参加者が正体を隠し思い思いの仮面を付けて仮装し楽しむ舞踏会のことです。
「正体を隠す」このキーワードが攻守双方にとって、物語の重要な構成となっています。
では「マスカレード・ホテル」とは…
舞踏会に当たるものが、本作では様々な人が集まるホテル、という設定です。
木村拓哉演じる刑事新田浩介と長澤まさみ演じるホテルマン山岸尚美の謎解きの舞台となるホテルの名前は、客室から東京タワーが見える「ホテル・コルテシア東京」。
ロケに使われたのは東京・日本橋にある「ロイヤルパークホテル東京」で、原作者東野圭吾さんもよく利用されるホテルです。
豪華なロビーは東宝のスタジオに再現され、中ではドローン撮影も行われました。
ところで普段の暮らしの中にあって、私たちも日常的に「仮面」を被って生きてはいないでしょうか?本心を胸の底に秘めて建前で会話をするなどなど。
「見栄を張る」などというのもある種の「マスカレード」なのかも知れません。
ましてや「ハレ」の場である大ホテルともなれば、裸の心でやってくる人は少ないでしょう。
大小はあっても、どこか気取ったり、どこか後ろめたかったり、どこかに嘘があったり。
まさにこうした状況こそ「仮面舞踏会」=「マスカレード」に他ならないのです。ミステリーの要素がいっぱい、といったところでしょう。
仮面は剥がされるのか、剥がれるのか
新田刑事(木村拓哉)と山岸尚美(長澤まさみ)の出会いが「マスカレード」開幕を告げる
都内で起きた3件の連続殺人事件。現場には謎の数字が残されていました。
本筋に導くリード部分です。その数字とは次に事件が起きる場所の緯度経度を表していました。
殺人の場所を予告するとは、そうとう狂気に満ちた数字に強い人物の仕業か?
ここは本筋へのミスリード部分。その数字から次の犯行現場と断定されたのが「ホテル・コルテシア東京」だったのです。