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【エレファント・マン(ネタバレ)】実在のモデルの人生を解説!横になるとエレファント・マンは死ぬ?なぜあんな身体になった?

出典元: https://www.amazon.co.jp/dp/B006QJT14A/cinema-notes-22

エレファント・マンの姿を初めて見た時にホラー映画かと思った人もいるかもしれません。

しかしあの姿は実在のモデルを忠実に再現した結果です。

映画「エレファント・マン」のモデルとなった人物の人生とは一体どのようなものだったのでしょうか。

それにしてもエレファント・マンは謎の多い存在です。

彼はなぜあんな身体になったのか。そして横になると死んでしまうのか。

彼の死後100年以上経った今、科学の進歩によって明らかになった真実とともにその謎を解き明かしていきたいと思います。

エレファントマンの魅力

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彼を知った人はその容姿に興味を持つ人がほとんどでしょう。

純粋な心

なぜそんな体になったのか、どうやって生活しているのだろう。そういう未知のものに遭遇した感覚を私達に与えるメリック。

しかしこの映画で最も注目すべき点は差別されたり恐れの眼差しを向けられても一貫して純粋な心を持ち続けたところです。

もしもメリックの心がすさんでいたら誰の心も動かせず、この映画さえも撮られることはなかったでしょう。

憎しみ

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どれだけ嘲笑されても馬鹿にされても彼は人を憎むことはしませんでした

誰の中にも憎しみという感情はあります。メリックにだけこの感情が欠落していたとは考えにくいです。

美しいものを求めていたメリック。

自分の容姿に美しさを望めない代わりにせめて心にだけでも美しさを持とうとしていたのかもしれません。

実在のモデルの人生

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エレファント・マンのモデルとして有名なジョン・メリック

その人生は2歳になる前に発症した病気によって数奇な運命を辿ることとなりました。

まるでフィクションのような話なのですが、彼の半生を忠実に再現した映画になっています。

知能は劣っていないものの、その外見から差別されるメリック。

周囲の人間が当初考えていたようにメリックが知能障害者だった方がまだ救われたかもしれません。

歩くことも話すことも食べることすら困難。仕事を得ようにも雇ってくれるのは見世物小屋くらいでした。

フレデリック医師に助けられた後はメリックに興味を持った上流階級の人々から面会を求めらるほどの人気ぶり。

当時のイギリス皇太子とその妃がメリックの部屋を訪問されるほどでした。

しかしそんな穏やかな日々は長く続かず、27歳の若さでこの世を去ります。

激動の人生を駆け抜けた彼は演劇・オペラなどの題材として取り上げられ、時代を超えて人々の心に残る人物となりました。

なぜあんな身体になった?

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生まれた時のメリックの体には異常はありませんでした。しかし彼が2歳になろうとする頃、突如として異変が起こったのです。

異形になる病気「プロテウス症候群」とは

医学が発達していなかった19世紀ではメリックの病気は原因不明の難病とされていました。

しかし研究が進んだ現在ではプロテウス症候群なのではないかとの見方が有力です。

プロテウス症候群患者はメリックのように出生時には異常がほとんどみられません。

ですが幼児期になると筋肉や皮膚、骨などが過成長して外観の変形を引き起こします。

健康に生まれてきたのにどんどん手足などが肥大化するメリックの様子を見た両親はどのような気持ちだったでしょうか。

計り知れないほどの葛藤があったと思います。

プロテウス症候群患者は合併症も起こしやすく、若くして命を落とす患者が多いようです。

メリックの場合は合併症が死因ではないようですが、思いがけない原因が死に直結する病気といえるでしょう。

とても稀な病気ですが、今も世界中で120人がこの病気と闘っているとされています。

これだけ症例の少ない奇病ですが、何が原因なのでしょうか。

プロテウス症候群の原因とは

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プロテウス症候群は遺伝しません。ですから親から子へ受け継がれる病気ではないことははっきりしています。

原因は遺伝子の突然変異であることが2011年に判明しました。AKT1という遺伝子に異常があるらしいのです。

最近は遺伝子で何でも判明する時代になりました。

犯罪捜査でもそうですし、肥満遺伝子検査キットをネットで買うことも可能です。

ここまで遺伝子検査が世の中に浸透しているなんてことを19世紀の人が知ったらきっと驚くでしょう。

原因遺伝子を特定できたことで、今後は治療薬が開発されることが期待されています。

症例数わずか200件程度のプロテウス症候群ですが、患者の命は常に危険にさらされています。

また周りからの好奇の目に耐える彼らの心の傷は深く根深いもの。

一刻も早く心身ともにこの病気から解放されることを願わざるを得ません。

横になるとエレファント・マンは死ぬ?

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まだ27歳という若さで亡くなったメリックは、ベッドに仰向けに寝た姿勢で発見されました。

死因は頸椎の脱臼あるいは窒息による自然死と判断。

奇形であるがゆえに横になって眠ることが難しいメリックは普段は足を抱える体勢で寝ていました。

ですから仰向けという寝姿は不自然なのです。

そのため仰向けに寝ることを試みた結果の事故死または自殺との説も囁かれました。

普通への挑戦

メリックの部屋には1枚の絵が飾ってありました。

そこに描かれていたのはベットに横たわって気持ち良さそうに寝る子どもの姿。

メリックにとって普通の体勢で寝ることは憧れでした。そしてこの日、初めて「普通」への挑戦をしたのです。

大聖堂を完成させた達成感が、この憧れの実現を後押ししたのかもしれません。

明らかになった謎

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2011年にある番組でメリックの骨格標本を詳しく検査しました。

すると死因は確かに頸椎の脱臼だったのですが、仰向けになろうと試みたわけではないことが確認されたのです。

あの日メリックはいつも通り、膝を抱え込む体勢をとろうとしました。しかし何故か頸椎が脱臼し命を落とします。

力の抜けた体は肥大した頭部の重みで仰向けの状態になったようです。

当時のメリックはかなり衰弱していた様なので、寝る体勢をとることもままならなかったのかもしれません。

普通への憧れ

エレファント・マン (1981年)
メリックは普通の人間に憧れ続けました。

1ヶ所の遺伝子に異常があっただけで、彼は普通という当たり前過ぎる言葉にその人生を費やしたのです。

しかしこの「普通」とは一体何なのでしょうか。

普通の定義

「普通」という言葉をはっきり定義するのは難しいと思います。存在しているようで存在しない言葉ではないでしょうか。

使う人によって「普通」の意味は変わってしまうのですから。ジョンは外見を除けば普通の人間と何ら変わりません。

では、普通の人間と普通じゃない人間の差はどこにあるのでしょうか。

特別な存在

yti511 洋画映画チラシ「エレファントマン」デヴィット・リンチ監督
普通の反対の言葉を辞書で調べてみると「希少、異常、特別」などと記載があります。

メリックはその病気により希少さと異常さが人々の目を引きました。

しかし彼の内面を知った人は、彼が特別な存在だと気づいたはずです。上流階級の人々から愛された理由はここにあるのでしょう。

普通を求めていたメリックは自分の特別さを知らずにこの世を去りました。

自分のことを1番知らないのは自分自身なのかもしれません。

変化の物語

【映画チラシ】エレファント・マン ニュープリント版 デヴィッド・リンチ
映画「エレファント・マン」はその特殊性のため、異形の種を差別する作品であると批判されることがあります。

しかし監督が本当に描きたかったのは人が人と接し、変化する姿だったのでしょう。

メリックを取り巻く人々・環境・メリック自身も物語のラストに近づくにつれ変化しています。

周囲の変化

メリックを見た人は嫌悪し、拒絶しました。

もしくはトリーブス医師のように医学的な好奇心から彼に近づく人も。

院長もメリックの受け入れを拒否し、看護婦でさえも彼を見ただけで恐怖を露わにしました。

誰もがメリックの外見ばかりに注目し、本当の彼を見ようとしません

しかし彼と接しているうちに周りの人達も変わっていきます。

純粋で優しいその人柄に触れたことで、自分がいかに偏見を持って彼を判断していたか思い知るのです。

そして最後にはメリックを1人の人間として接しました

メリックの成長

戯曲ーエレファントマン―The Elephant man
メリックは自己主張したことがありませんでした。

劣悪な環境で働かされている時も流されるまま抵抗もせずただ生きている状態。

彼の生い立ちからしたら仕方ないのかもしれませんが、メリックは人生を半ば諦めていたのでしょう。

街中で知らない人に追いかけ回された際、自分は人間なんだとようやく意思表示をするシーンがあります。

これにより彼は自分の人生を歩むことができたのです。

人を外見で判断するのは悪いことと断言することはできません。しかし相手の本質を見ようとしないのはもったいないことです。

もしかしたらその相手があなたの人生に光を与えてくれる人間かもしれないのですから。