「胸の病気」という設定は存在し、時代背景を考えると結核であるという説が有力です。結核は風邪に似た症状が出る重い病気です。
一時退院が出来ることからも、いい方向へ向かっていたはずです。
一時退院が延期になった理由を母親は「ただの風邪」といっていますが、医師は結核の再発を懸念したのかもしれません。
お母さんの病気は治ったのか?
トトロの時代背景はテレビのない時代、昭和30年代頃の設定です。
結核での死亡率も高く、サツキが「お母さん死んじゃったら……」と言ったのも納得です。
しかし、エンディングをみるとサツキもメイも無邪気に遊び、本編中よりもいきいきとしています。
きっと母親の病気は回復していったのではないでしょうか。
エンディングの冒頭部分と末尾に母親の姿が現れますが、エンディングは夏から秋、そして冬と時間を辿っていくので母親は一時退院を経て本格的な退院をしたとも考えられます。
エンディングでのサツキは無邪気に描かれている
エンディングの中のサツキは本編のサツキと比べ、だいぶ子供っぽく見えるのではないでしょうか。サツキの子供らしさが愛おしく感じます。
サツキの子供らしさに注目
エンディング中のサツキはメイと走り回り、友達と木登りをしたり子供らしさが強調されて描かれています。
本編では大人びた態度で、母親のような存在だったサツキ。甘えることが出来るお母さんが帰宅したことで、子供心があふれ出ているようです。
本編との差!母親不在で無理をしていたサツキがよくわかる
エンディングのサツキはそれまで見たことがないほど天真爛漫な女の子です。
母親が不在だった時、姉として母の代理としていかに気を張っていたかが伺い知れる演出です。
小学6年生のサツキは、自分を抑えて母親のいない穴を埋めようとしていたのです。
エンディングでサツキのはじけた笑顔が見ると「お母さんが戻ってよかったね」と心打たれます。
サツキはガキ大将?!
サツキはエンディングでしっかり者の姿も描かれています。
女子対男子の小競り合いシーンで、女子のリーダー的存在で、男子グループに対峙しています。
妹の面倒見がよく、母親不在という経験をしてきたサツキは同学年の女子にも慕われるしっかり者だったのでしょう。
転校生のサツキがリーダー的存在になっている様子も意味深いですね。スポーツや勉学に秀でていたのかもしれません。
エンディングでのメイは少しお姉さんになった
我がままで典型的な妹気質に描かれていたメイですが、エンディングではちょっぴりお姉さんに成長しています。
自分より小さい子を気にかけている
いつもサツキの後を追うメイでしたが、エンディングでは自分より小さい子に興味を持っています。
始めはどうしようか様子を見ていますが、季節が進むにつれ自分がサツキにしてもらったように小さい子に寄り添い一緒に遊んであげます。
自分で考え、小さい子の面倒を見ている姿はメイの心の成長を垣間見れる貴重な場面です。
かんたの恋の行方が気になる
となりのトトロで女性に人気の高い「かんた」ですが、サツキとのその後の関係が気になる人も多いのではないでしょうか。
本編でのサツキへの恋心の描かれ方が絶妙
本編でのかんたの下記のような態度は、恋をする不器用な男子そのもので「がんばれかんた!」と応援したくなる存在です。
- サツキと目が合うと変顔をする
- 無言で傘を渡す
- 傘を返しに来たサツキから隠れ、テンションが上がる
- 学校の授業中に無意識にサツキを眺める
恥ずかしがり屋で不器用なかんたですが、メイが迷子になった時に見せた男らしさはいい男の評価をぐんと上げました。
そして、気になるのかんたの恋はエンディングでもしっかり描かれています。
エンディング冒頭のサツキとのシーンにセリフがあった
エンディング冒頭でサツキはメイを連れ、お婆ちゃんとかんたに無事な姿を見せます。
この時サツキは自転車を押すかんたに何かを伝えていますが、セリフは流れていません。