しかしジブリの絵コンテには「ありがとう、かんちゃん」というサツキのセリフと「(自転車が)パンクして病院までいけなかった」というかんたのセリフが入っています。
もし自転車がパンクしていなかったら、かんたは七国山病院まで自転車を走らせていたのでしょう。
エンディングでのかんたの立ち位置が心情を表している
サツキが先頭に立ち女子と男子が対峙するシーンをよく見てみると、男子の一番後ろで身を隠すかんたの姿に気がつきます。
かんたは、大好きなサツキと気まずい関係になりたくなかったのではないでしょうか。
または、仲良しのサツキと喧嘩したくなかったのかもしれません。
仲良く焼き芋をしているのは恋が順調な証
そして秋のシーンでは、かんたはサツキと焼き芋をしています。
庭の掃除を手伝った後のようにも見え、家族ぐるみで付き合いをしている様子がうかがえます。
サツキがかんたの気持ちに気が付くのは遠そうですが、かんたは粘り強く片思いを頑張りそうな気配です。
宮崎監督の頭の中では登場人物たちが結婚している
宮崎監督は以前に、自身の頭の中では登場人物たちが成長し結婚していると語ったことがあります。
発表はされていませんが、かんたとサツキが結ばれたことを祈るファンも多いのではないでしょうか。
エンディングのトトロ達はいつも変わらぬ存在であることを描写
本編ではトトロ達の生活を垣間見ることが出来ませんでしたが、エンディングでは、トトロ達の様子もしっかり描かれています。
ドングリを皆で食べている日常
サツキとメイが少しずつ成長していく様子とは対比的に、トトロ達はのんびりとドングリを食べています。
落ちてきたドングリに喜んでいる様子や雪の日に雪だるまを見つけるシーンはトトロ達の日常的な生活感を感じずにはいられません。
トトロは成長しない?
トトロ達はエンディング中も変わらぬ存在として描かれていますが、実はジブリの初期イラスト設定にその詳細が記載されています。
大きなトトロの本当の名は「ミミンズク」何と年齢は1302歳です。
そして中トトロは「ズク」679歳、小トトロは「ミン」109歳という設定だったようです。
子供達の成長のスピードと、トトロ達のゆったりした時間の流れが絶妙な雰囲気をかもしだしています。
エンディングではサツキとメイはトトロと一緒にいない
となりのトトロのエンディングをよく見てみると、サツキとメイは七国山病院の件以来トトロ達に会っていません。
なぜ一緒に過ごす姿が描かれていないのでしょうか?そこにはきちんとした理由がありました。
トトロと会わなくなっていい
宮崎監督は「母親が帰ってきてサツキとメイが安心して遊ぶようになるとトトロが離れていく」と語っています。トトロが離れていってもそれでいいというのが宮崎監督の考えです。
トトロは遠くから子供達の成長を見守る存在ということでしょうか。子供の心が助けを求めている時に現れるのかもしれません。
メイの描く猫バスと雪だるまが示すもの
メイは猫バスの絵を上手に描いています。さらに冬になるとトトロの雪だるまが登場するシーンもあります。
メイとサツキは母親の退院後、トトロ達には会っておらず時折思い出しているのでしょう。
大人になったら心の奥にしまい込んでしまう記憶なのかもしれません。
となりのトトロエンディングは子供心を見事に表現していた
エンディングは短い中に、登場人物達のその後を凝縮した内容になっています。
ひとりひとりに注目して見返すと、細かなストーリーを読み解くことが出来ます。
名作揃いのジブリ作品の中でも、ここまで子供の心を繊細に描写したものは他にないでしょう。