しかし、ユニバーサルから製作費がかかりすぎると拒否されます。
そこで二人は西部劇のシーンを書き足して、2本分にしました。しかしユニバーサルから提示された製作費は酷いものでした。
そこで二人は一計を案じ、1本分より少し増やした金額で、2本を作るけどどうか?と提案します。
そうしたところ受け入れられたので、未来編と西部劇編(最終話)を一度に(正確には1週間ほどの間隔があったといいます)撮影することなったのです。
PartⅡの影の主役は「スポーツ年鑑」
PartⅡの影の主人公は、間違いなくこの「1950-2000スポーツ年鑑」でしょう。
この一冊の本を巡ってPartⅡは展開し、物語は結局Part Ⅲへと繋がって行くことになります。
(上の映像の本は実在したものではなく、映画の中の小道具をファンのためにレプリカとして販売されているものです。)
2015年の世界は?
PartⅡの未来世界は、その実現性・近似性に騒然となった
「バック・トゥ・ザ・フューチャー PartⅡ」で描かれた2015年の未来の社会が、かなり現実に近いと、実際の2015年にも騒がれました。
この作品で知られているのは
- 空飛ぶクルマ=残念ながら実現していませんが、ドローンの大きいヤツがそれに変わって登場しそうです。
- ホバーボード=これはトヨタ・レクサスのCMでも驚きましたが、実際は技術的にそれほど難しくはないらしいです。
- 自動的にシューレースが締まるスニーカー=これも実際に限定発売されましたね。ただ現在主流かというとそこまではいっていません。
- 自動的にサイズ調整、自動乾燥が可能なジャケット=これも実現していません。但し自動乾燥については実験をしているメーカーがあるそうです。けど、売れるのでしょうか。特殊な用途に限られるのでしょう。
- 「ジョーズ19」看板に見られるような大型3Dホログラム=これは映画のような使われ方は出来ていませんが、出来の良い3D映画は実現しています。
- テレビ電話会議システム=これはもう日常的に大活躍です。
- 天気を知らせてくれる腕時計=Apple Watchに似ていますが、現代の方が多機能ですね。SiriのようなAIは存在は予言出来なかったようです。
- 顔認証双眼鏡=これも実現しました。
- 生ゴミで走るクルマ=PartⅠのデロリアンはプルトニウムを必要としていましたが、未来のデロリアンはゴミで走ってました。現在では燃料電池車が一番近いでしょうか。
- 指紋認証決済システム=これは日常的にお世話になっています。
- 小さいピザが大きくなる加水調理器=これはさすがに無理でした。
- ガソリンスタンドのアシスタントロボット=オランダでは電気自動車用に実験が行われているようなので、化石燃料ではなく、電気とか燃料電池車などではロボットが働く可能性があります。
こうやって見てくると、ビフとトランプ大統領の相似性や「カブス」の優勝も含め、まぐれとは思えない的中率。
よほど研究したのでしょうか。世間が騒ぐのも分かります。
これもよくいわれることですが、「スマホ」の登場は予言出来ず、PartⅡの世界では、まだFAXが有力な伝達手段として描かれています。
この辺りはちょっと外してしまいました。こうしたことも含めて見ていくのも、PartⅡの楽しい魅力になっています。
シリーズでこそ楽しい傑作
さまざまな出来事が符合する3部作の楽しさ
PartⅡは未来への冒険でした。エンディングではドクは落雷のため1885年にデロリアンごと飛ばされ、マーティーは1955年に残されたままになってしまっています。
Part Ⅲでは、二人が出会い、現代に戻らなくてはなりません。
電気もガソリンもない時代に、ゼメキスとボブ・ゲイルの考えたタイムトラベルのアイデアにはびっくり仰天です。
3部作にはそれぞれ連続性があり、話が繋がっています。
この映画を観る人は、いきなりPartⅡから始める人はいないと思いますが。
ですがやはり3部作を初作から順番に見ていくと、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズの醍醐味や必ず出てくる共通の「お約束」、さまざまな仕掛けに隠された面白さを味わい尽くせます。
雅楽から発祥した構成を表す言葉に「序」「破」「急」というものがあります。BTTF三部作はまさに、この展開に当てはまるのではないでしょうか。
今回は「バック・トゥ・ザ・フューチャーPartⅡ」について説明してきましたが、イッキ見をしたことのない方は是非、お勧めしたいと思います。
それからPartごとに観返すと、また新たな発見や、ゼメキスとボブ・ゲイルの仕掛けや、おちゃめなガジェットに気が付き、またまた楽しい時間を過ごせることでしょう。